よい製品をよい環境で作り上げる安曇野工場!“一気通貫”のものづくり VAIO

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今回訪れたのは、VAIO株式会社の本社でもある安曇野工場。
高品質なプロダクトを世界に展開しているVAIO®のものづくりは、日々ここから生み出されています。

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工場を目前についつい気合が入りすぎてしまう、しゃかいか!編集部一行。
『V・A・I・O』ポーズで記念撮影。なかなか様になっていませんか?!
誰でも一度目にすると忘れない!このVAIOのロゴマーク。前半の2文字の“VA”が正弦波でアナログを示し、後半の2文字“IO”が1と0の2進法でデジタルを表現しており、もともとは「アナログとデジタルの融合」という意味があったそうです。

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ソニーからの独立、『VAIO Z®』の誕生
VAIOは、元々ソニーがパソコン事業用に展開していたブランドでした。2014年2月にソニーのパソコン事業撤退により、VAIOブランドを引き継ぐ『VAIO株式会社』が、同年7月に設立。この『VAIO Z』はなんとVAIO株式会社として一から手掛けた初のパソコンなのです。

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今回しゃかいか!編集部はそんなVAIOの顔『VAIO Z』のものづくりに触れるため、安曇野工場を取材。MADE IN AZUMINOのものづくりの現場に潜入しました!
『VAIO Z』

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50年以上もの歴史がある安曇野の地
工場を構える安曇野は、思わず深呼吸をしたくなる豊かな自然に囲まれた美しい土地です。周りに他の工場などは見当たりません。なぜ、VAIOはこの土地を選んだのでしょうか?
実はVAIOの前身は、1961年長野で創業した東洋通信工業株式会社 豊科工場。1974年にソニーの100%子会社となり、オーディオ関連製品の工場として成長してきた歴史をもっています。そしてVAIOとして独立した際にここ安曇野を本社としました。つまり、もともとこの土地にルーツがあったという訳です!

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では、さっそく安曇野工場の内部へ入ってみましょう。

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まずエントランスホールでは、この工場でこれまでに製造したプロダクトが出迎えてくれます。

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ワンワン!これはご存知の方も多いはず。そう犬型ロボット『AIBO』です。もう発売から15年以上も経っているのですね。

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“基板、組立、梱包”、すべての工程を安曇野工場で
工場の内部を見学する前に、『VAIO Z』についてお話を伺いました。この工場では“基板、組立、梱包”と、すべての工程を一貫して行っているそう。
そのすべての工程において、“人の手”が欠かせないのだとか。お話を聞いてますますワクワクしてきましたよ!1Q2A24431

いざ、工場内部へ!……と、その前に静電気防止のため専用のベストとスリッパを着用。

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着替えたあとは、

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いよいよ内部へ潜入……。

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「ブオ~~ン!」全身のほこりを持ち込まないように全身くまなく強風を浴びます。

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おっ!大きなパネルに、しゃかいか!歓迎の文字が!うれしいですね。思わずテンションが上がります。

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基板は繊細さを極める専用部品の集まり
それではさっそく基板の作りからチェックしていきましょう!
基板は約1000個の部品から構成され、片面にはCPUが搭載されています。このCPUには、1,186個ものボールの形をしたはんだがついているんですって。

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ひとつひとつの部品はとても小さく、この基板には「0603」と呼ばれる横幅0.6㎜縦幅0.3㎜というサイズの部品が使用されています。

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さあ、基板の製作工程を見ていきますよ〜〜〜。

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先ほどの細かい部品を正確に付けるための“はんだ”を基板の表面に塗ります

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次に、部品を基板の表面に搭載する作業へ。『高速マシン』と『多機能マシン』が休みなく稼働しています。

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高速マシンは細かい部品を正確に搭載します。なんと、そのスピードは1時間で96,000パーツ!

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多機能マシンは私たちにも見覚えのある、USBの接続部分などの部品が組まれていきます。

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この高速機の部品を実際に搭載していくのが『リール部品』と呼ばれるリボン状のもの。これに部品が内蔵されている訳ですが、その交換の管理は“人の手”で行われているそうです。

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そして、ついにCPUを搭載します。これを行うのが『多機能マシン』。

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こちらは先ほどのリール部品ではなく、『トレイ部品』にCPUが載せられ、組まれていきます。

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こうして組まれた基板は、はんだを溶かして固定するためにオーブンの中へ。その温度は始め約150℃からスタートし、約240℃にジワジワと高められます。これは、始めから高温すぎると、正しいはんだ付けができないからなのだそう。

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冷ますと……ジャ~~ン!これで基板の出来上がり!

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以上の工程では、「はんだが適量塗られているか」、「部品が正確に載せられているか」そして「正しいはんだ付けが出来ているか」、という3段階のチェックが徹底されています。
チェックをこの工程の最後だけにするのではなく、ひとつひとつの作業が終わるごとにこまめにチェックを挟むことで、不良品をより少なくすることが可能になるのです。

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組立は“人の手”だからこそなせる高品質
続いては、組立工程を見学すべく移動。

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わーい!ここにもいらっしゃいませの文字が!ますます張り切って行ってみましょう!

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液晶ディスプレイは回転するように設計されているため、構造がとっても複雑。組み立てはすべて“人の手”でやっています。

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ここでは、その液晶ディスプレイと、スタンドパネル、キーボードを組み立てている場所。

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硬いッ!!薄いのに堅い、高剛性化という技術
ディスプレイの素材であるアルミ自体は柔らかいもの。そこで、その素材同士を専用の接着剤を使いくっつけることで強度を出します。これが薄さを保ちつつ強度アップが実現できる『高剛性化』という技術なんですって。

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接着剤が乾くまでの間、30分間板で挟み込みしっかりと固定します。

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あ、裏面に「MADE IN AZUMINO JAPAN」の文字が!これも社内でレーザー刻印しているんだって!

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ストレスはできるだけ与えない!液晶ディスプレイ部の組立
フー。組み立て作業はここからが山場!液晶ディスプレイ部の組立にいきましょう。

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液晶ディスプレイは、ストレスがかかると壊れてしまうので、専用の吸盤で吸い上げてストレスを与えずに作業をします。
液晶と背面部品は強力な両面テープで貼り合わせます。

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ピンが一瞬で、きのこ状のつっかえに早変わり
そして次に、キーボード部分の組立です。
ここでは溶着という手法が使われますが……溶着って?

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キーボードを溶着するには、背面から、全面の穴にピンを通して135℃で加熱!ピンが溶けることで、ピンがキノコ状のつっかえになり固定されます。

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時には機械よりも速い“人の手”
ちなみに、『VAIO Z』はキーボードが3種類あるので間違えが起きないようバーコードで管理されています。

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ネジ締めの工程では、専門の研修を受けた人のみが担当できる作業。この作業は機械よりも、“人の手”で行うほうが速いそうです。

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ベテランのネジ締めスタッフの倉田さんと記念に、パシャリ!

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検査は人と機械のダブルチェック
さあ、大詰めの『検査工程』に入りますよ。まず1つ目の検査が『オートメーション検査』。パソコンを黒い箱の中に入れて、液晶、LED、コネクタなどに異常がないかをチェック!人間の目は疲労などのコンディションで検査にばらつきが出てしまうので、機械が自動で行います。

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次は、方角・角度・傾きという3つの動きに対して『3種のセンサー』をチェック!

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『エージング検査』でメモリ、CPU、バッテリーの動作を約8時間かけてチェック!長時間の連続使用でも問題なく動作することを検証するためです。

以上の3つのチェックが機械による検査です。

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これらを経て、最終的に外観チェックを行うのが、人間。機械では確認できない、「クリックパッドの感触」、「ディスプレイの傷」、「ボディの汚れ」……。

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このような100項目にもなる検査を、社内ライセンスをもった人のみが実施します。

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梱包は最後まで丁寧に
こうしてできた製品を『梱包』する工程へ。
この棚には様々なオーダーに対応する紙類が収納されています。製品のバーコードを読み込むと、その製品に必要な紙類の置き場所のみ、ランプが点灯。つまり、どの紙類が必要なのか一目瞭然なのです!

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これら全てが完了したところで『安曇野 FINISH!』と書かれた、オリジナルポストカードも同梱します。

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ダンボールに詰めたら、つ、つ、ついに完成!
こんなにも多くの最先端技術とプロフェッショナルな人々の手を経て作り上げられているなんて感激しました!

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80%以上が利用するディスプレイシート
しかし、ここで終わりではないのです。
購入者の80%以上が利用するといわれている『ディスプレイシート』を貼るオプションサービス。ゴミをキレイに拭き取り、空気が入らないよう、マイスターと呼ばれる専門のスタッフが丁寧に貼り付けます。

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名刺入れにもプリントできる?!レーザープリント
別注で行っている、『レーザープリント』も見逃せません!
素材に適したプリントを行い、2回に分けてプリントすることもあるのだとか。
見てください!こちらは名刺入れに、そのレーザープリント技術で『VAIO Z』が精巧に再現されています。今回特別にしゃかいか!編集部におみやげとしてつくっていただきました。ありがとうございます!!!

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不要電波も見逃さない徹底したチェック
最後に、パソコンから生じる不要電波を測定する『放射雑音測定』もご紹介しましょう。どのパソコンからも常に微力な電波が出ているってみなさん知っていましたか?この電波が人体や他の機器の動作に影響が出ない基準値以下に抑えられているかどうか、徹底的にチェックすることがこの部屋の役割です。
部屋の四方は、電波を反射しない特性を持つ『電波吸収体』が碁盤目状に並んでおり、そのスケールはまさに圧巻でした。
こうして製品の安全性も徹底チェックされているのですね。

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以上、『VAIO Z』の製造工程を見てきましたが、いかがでしたか?
この安曇野工場の特徴はなんといっても、工場の設備の設計と製品の設計、それぞれの立場の専門スタッフが同じ場所で同時に“一気通貫”してものづくりを行っていること。
だからこそ、よい製品をよい環境で作り上げることができるようです。

今回の見学を通して、妥協のないものづくりの姿勢に大感激!
業務でお忙しいなか、各工程で携わるスタッフの方々にとても丁寧にたくさんのことを教えていただきました。本当に、ありがとうございました!

【詳細情報】

VAIO株式会社

電話番号:0263-87-0810 (代表)
住所:長野県安曇野市豊科5432
URL:https://vaio.com/
商品情報:VAIO Z 

(text:加嶋、photo:市岡 ※一部VAIO株式会社さん提供)

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