南三陸に元気を生み出す商店街の町と全国とのつながり 山内鮮魚店

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海と山に囲まれた南三陸は、水産漁業、農業で栄えてきた自然豊かなまちです。東日本大震災で多くの被害を受けた南三陸は、今も復興のために頑張り続けています。今回は、宮城県(旧:志津川町)で昭和24(1949)年の創業から、鮮魚、水産加工品の製造・販売を行う山内鮮魚店さんにやってきました。今回は、美味しい魚を真空パックにする製造工場を見学です。

南三陸さんさん商店街

山内鮮魚店さんは、昭和24(1949)年創業から南三陸(旧:志津川町)で、仕入れた鮮魚をリヤカーに詰め、隣町へ行商をしていました。南三陸の鮮魚を加工した自社製造の水産加工品は、数々の賞を受賞しています。

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丸の中にニと書いて「マルニ」、南三陸魚市場で使われている当店の屋号です。地元南三陸の皆さんから山内鮮魚店さんは「マルニ」の愛称で呼ばれています。

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山内鮮魚店さんは目利きの店として、マンガ「美味しんぼ」にも登場しています!

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本日は、ヤマウチ3代目の山内正文さんにご案内いただきます!よろしくお願いします。

さんさん三陸

南三陸福興市実行委員長としての尽力に感謝し、山内さんに贈れらた賞状があります。山内さんは、南三陸の産業を元気にする「福興市」を開催したりと東日本大震災後、南三陸復興の旗振り役として奔走されました。そのお話しもお伺いしていきます。

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2011年3月11日、この日を境に山内さんは4カ所の営業所や店舗、工場すべてを失いました。山内さんは、工場、店を飲み込んでいく波を見ながら「とにかく動かないと、動けばなんとなる」と、止まっている暇は一瞬もなかったと当時を振り返ります。

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着の身着のままで高台へ避難したほとんどの人たちは、家が流され、寝る場所、働く場所を失い路頭に迷う状態でした。山内さんは、避難所となった志津川中学校の実行委員長として、まずは、食料の確保、避難所の早い構築を図るべく奔走します。

全国の商店街とのつながり、ぼうさい朝市ネットワーク
東日本大震災前から築いていた「ぼうさい朝市ネットワーク」が、復興への足がかりになりました。「ぼうさい朝市ネットワーク」とは、全国各地の商店街をネットワーク化し、お互い被災した際は助け合う目的で作られた商店街の組織のことです。震災前から地域の特産品の販売など産業の深いつながりを持っていました。

南三陸さんさん商店街

山内さんは、「ぼうさい朝市ネットワーク」のメンバーとすぐさま連絡を取り合い、「全壊だけれども商売をやりたい」と全国の商店街の方々にお願いをして、テント、机、椅子、販売する物資の援助を受け「テント市」を開催します。被災してからわずか1ヶ月のことです。「商店街はこれからも商売を続けていくという意思だけでも町民に伝えたかった」と山内さん。

地域通貨300タコを発行
さらには、商店街で買い物ができるように町民に地域通貨を発行します。その名も100タコ(100円)。志津川町の名産のタコを通貨単位にして、全国の商店街の協力の下、300タコ(300円)を1万人に配布したそうです。

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復興のための南三陸町福興市
南三陸のみんなに「福」を「興」す市という強い気持ちを込め「南三陸町福興市」と名づけて、福興市を月1で開催していこうと山内さんが中心となってみんなを動かしていきます。全国の商店街から魚や消防団からは肉、自衛隊、個人で支援物資を持参される方も数多くいたそうです。震災後の1ヶ月半後に第1回の福興市を開催します。2日間で1万5千人が集まり、避難中の人々が再開し安否を確認しあう貴重な場と機能したそうです。なんと!EXILE(エグザイル)のメンバーがサプライズゲストとして福興市にきてくださったそうですよ。

南三陸さんさん商店街

商店街としての地域、全国とのつながり
もともと地域とのつながりが深い商店街の特質を十分に生かし山内さんは、困っている人の問題を地域、全国の商店街に相談し、みんなの力を借りながら必要な物資を取り揃えられるように動きます。そして、震災から1年も経たない2012年2月25日、「南三陸さんさん商店街」が町のみんなの声に応えてオープンしました。商店街から生まれる元気な笑顔は、町民の大きな希望となります。

南三陸さんさん商店街

本日は、残念ながらお休みだった山内鮮魚店さんの商店街内の店舗です。南三陸自慢の美味しい味に出会えますよ!

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それでは、衛生のため靴を履き替え工場見学スタートです!

南三陸さんさん商店街

履き替えた衛生用の長靴を履きながら入念に靴底を洗います。

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菌消毒のため、マスクを着用し体についたゴミをエアーシャワーで飛ばします。

南三陸さんさん商店街南三陸さんさん商店街

ヤマウチさんの魚の解体をする加工工場も所有されていますが、それでは、加工製造工場へいってきます。

南三陸さんさん商店街南三陸さんさん商店街

30分間煮沸殺菌する機器です。ヤマウチさんのこちらの工場では、宮城県産のサバにサンマ、マダラにイナダ、銀鮭、秋鮭、鮭のハラスにカツオなど12種類の魚を1日2,3品ごとに製造しています。

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おいしそうな宮城県産のサバがふっくらと焼き上げられて並んでいます。

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真空パックにするため袋詰めします。

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こちらが袋詰めされた人気商品の「しっかり朝ごはん 焼魚シリーズ」のさば塩焼きです。魚の味付けには塩、味噌、酒粕、塩麹と保存料無添加、着色料無添加で味付けされています。

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加工工場で下処理されたサケたち、並べられて冷燻していきます。

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冷燻されたスモークサーモンが完成です!こちらの商品と「しっかり朝ごはん 焼魚シリーズ」は、山内鮮魚店の実店舗で購入できます。

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加工された魚はダンボール詰めされて、冷室で保管されます。こちらで製造している商品を販売している店舗へもいってみました!

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こちらが震災から約半年後、被災を免れた高台にオープンした山内鮮魚店1号店です。食事処の「静江館」も一角にあります。

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ずらりと並ぶ鮮魚たち。新鮮かつ、安さに驚きです!

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兵庫県から南三陸へボランティアにきて、そのまま南三陸に移住した藤本侑美さん。山内さんとの出会いがきかっけとなり、こちらで働かれています。南三陸の海に携わっている人に憧れたことと、南三陸の町が移住者を求めていたことが移住の決め手だったそうです。県外からもすてきな元気が集まってくる山内鮮魚店です!

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町の人と挨拶を交わしながら山内さん、レジを打たれています。町のみんなが知り合いで知らない人は誰もいないほどです。

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南三陸の海、山内さんといろいろな思いを回想させて一緒に波を見つめます。

南三陸さんさん商店街

山内さんの気さくな語り口調とすてきな笑顔はその場の空気を何百倍にも明るくしていきます。そんな山内さんだからこそ、震災後の南三陸に希望を生み出す仕組みをつくり、元気を与え続けられていると実感しました。山内さん、取材の機会を頂けてありがとうございました。美味しい山内鮮魚店の味はネットから全国発送していますよ!

【詳細情報】

株式会社ヤマウチ(山内鮮魚店)

住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町3
電話番号:0226-46-4976
URL:http://www.yamauchi-f.com/
Facebookページ:https://www.facebook.com/yamauchisakana/

南三陸さんさん商店街
住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下59-1
URL:http://www.sansan-minamisanriku.com/

(text:坂田、photo:市岡)

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