みんなでがんばっぺし!サヴァ(Ça va?)缶で元気をお届け 岩手県産株式会社
陳列されている棚の中でも、一際目をひく黄色いパッケージに「Ça va?」と書かれた青文字とかわいいサバのイラスト。今までのサバ缶の印象とは全く異なるサヴァ缶は発売開始からわずか2年間で70万缶を売り上げています。本日は、サヴァ缶づくりに携わられた岩手県産株式会社さんにお伺いし、サヴァ缶誕生のストーリーをお聞きしてきました。
昭和39(1964)年、県内の産業を活性化のために創業した岩手県産株式会社さん(以下、岩手県産)は、県の特産品の販路拡大を目的とした日本初の第三セクター(国や地方公共団体と民間企業の共同出資によって設立された法人)として設立されました。
サヴァ缶の商品開発から担当された商品部商品開発課の長澤由美子さん、本日は、よろしくお願いします。
サバのオリーブオイル漬け「Ça va?(サヴァ)缶」は、震災被災地の食の復興を目的に支援企業が集まって立ち上げられた東の食の会さんと、岩手缶詰さん、岩手県産さんの3社共同で、プロデュース・企画、製造、販売と各々の得意分野を生かして作り上げていきました。
女性をターゲット
サヴァ缶発売の2013年(平成25年)の春に岩手県産さんに、サバの缶詰を売りたいという話が舞い込みます。当時は、缶詰のおつまみが流行りだした頃で、女性向けの缶詰のおつまみはまだありませんでした。そこで、女性をターゲットに女性が自宅でのむ時間を楽しめるようなおしゃれな缶詰にしようと、女性が好むヘルシーなサバとオリーブオイルを使った商品への取りくみを進めていきました。
商品力のある商品に
缶詰のパッケージデザインは、岩手県が震災時に全国の方々からもらった元気を返したいという気持ちを込めてフランス語の元気?「Ça va?(サヴァ)」という挨拶とサバを掛け合わせて言葉を考えました。カラーも岩手県には緑色というイメージがありますが、黄色で元気な気分を表現しています。
在庫のリスクもなんのその
商品がカタチになっていくと次は製造量とコスト面での決断が迫れます。販売元の岩手県産さんは、1回の缶詰製造ロット数が2万8.800缶と多くなるため在庫を抱えるリスクがありました。1回の製造で1千万円以上の資金をつぎ込み抱えるリスクを参事の佐藤則道さんは「もし売れなかったら、社員みんなでがんばっぺし!」とやってやろうじゃないかという熱い情熱を持って販売を決断したそうです。
サヴァ缶は、販売開始から岩手県産さんの過去の缶詰販売数量の中で断トツの売り上げを記録しました。サバをパンに挟んだり、キムチと一緒に食べる韓国風巻き寿司にしたり、冷や汁にしたりとアレンジ用途が高く女性だけでなく男性からも多くの反響がありました。第一弾のオリーブオイル漬けのサヴァ缶の反響を受けて、第二弾の販売が決定しました。
第二弾は、3月から販売を開始した「レモンバジル味」、緑色のパッケージに黄色のサバが泳いでます!美味しそう!
こちらは、「pecco(ぺっこ)」という岩手のお菓子を詰め合わせた商品です。岩手県産さんはサヴァ缶の他に、「pecco(ぺっこ)」というプライベートブランドを作っています。「岩娘會(がんこかい)」という岩手の食分野で活躍している女性メンバーらが「pecco(ぺっこ)」の商品開発を行っています。「岩娘(がんこ)」というネーミングには、頑固に商品開発に挑むという意味が込められているそうですよ。
サヴァ缶を製造している岩手缶詰さんは、釜石の本社や大船渡工場、内陸など県内に複数の工場を所有していました。沿岸部の宮古工場は浸水の被害に遭いましたが、なんとか工場を稼働できそこで製造をはじめました。
大きめのサバを丸ごと一尾使用しています。
一尾ずつ固定されていきます。
一尾ずつシャーっと台を滑っていきます。頭、胴、尾の3箇所に切断されます。
洗浄を2回しっかりと行います。
内臓を手作業で十分に取り除いていきます。
重さの調整と混入物など無いか最終確認です。
オリーブオイルを加えて、缶詰の蓋をされたサヴァ缶がくるくると回転してきます。
生まれたてのÇa va?(サヴァ)缶をかごに詰めていきます。
最後に、こちらの装置でサヴァ缶を加熱処理します。
いざ出荷を待つÇa va?(サヴァ)缶!これから全国へ元気を届けてにいってきます!
美味しいサヴァ缶の商品開発のお話から工場現場の様子までお伺いでき元気をいただきました。本日は岩手県産株式会社の皆さん、ほんとうにありがとうございました。みんなでがんばっぺし!の決断があったからこその第二弾のサヴァ缶が楽しみでなりません。
【詳細情報】
岩手県産株式会社
住所:岩手県紫波郡矢巾町流通センター南1-8-9
電話番号:019-638-8161
URL:https://www.iwatekensan.co.jp/
Facebookページ:https://www.facebook.com/iwatekensan/?fref=ts
(text:坂田、photo:市岡、一部、岩手県産株式会社さんから提供)
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