R2-D2!月面探査に明和電機!? Maker Faire Tokyo 2014
皆があっ!と驚くようなモノ、これまでになかった便利なモノ、
ユニークなモノを作り出す "Maker" が集い、
展示とデモンストレーションを行うイベント、
「Maker Faire Tokyo 2014」に行ってきました。
Maker Faireは、カリフォルニアのサンマテオを発祥とし、
デトロイトやカンサスシティ、ニューカッスル、ローマと
世界各地で開催されています。
日本では、前身の「Maker Faire」が2006年に開催され、
その規模を年々大きくしながら、今年は会場を東京ビッグサイトへと移し、
「ものづくり」を行う300にも及ぶ企業や団体が集いました。
今日はこの中でしゃかいか!編集部が特に注目したMakerさんを一部ご紹介します。
TASKO (http://tasko.jp/)
デジタルテクノロジー全盛の現代において、
新しい機械のあり方を提唱し、他業種とのコラボレーションも
精力的に行っているTASKO。
今回展示されていたものは、ロボットバンドでした。
プログラミングで制御されたロボットを、
ラジコンのリモコンを彷彿とさせるコントローラーを使って
誰でも操作することができます。
左手で弦を正確に押さえ、右手で弦をかき鳴らすその姿。
まるで人間のようです。
人が直接楽器に触れず音を奏でるこのロボットに、音楽の未来を感じます。
また、優れているのは高度に制御されたプログラミングだけではなく、
緻密に設計されたロボットの構造です。
見せていただいたiPadには何枚もの設計図が残されており、
膨大なアイディアが集約されていることがわかります。
画像のギターとベースに、ドラムを加え、近日中にライブを開催されるようです。
ハクト (http://team-hakuto.jp/)
ハクトは、Googleによる賞金3000万ドルの国際宇宙開発レース
Google Lunar XPRIZE(以下Google Lunar )に挑戦する
日本で唯一のチームです。
Google Lunarでは、開発したローバーを月面500m以上走行させ、
指定された高解像度の動画や静止画データを
地球に送信しなければなりません。
数々の試作や実験を経て開発された、
4輪ローバー「ムーンレイカー」と2輪ローバー「テトリス」を
実際に操作させてもらうことができました。
これらのローバーは、昼の表面温度100℃以上、夜は−150℃以下という
月面で想定される厳しい環境に耐えることができ、
周囲のあらゆる情報をキャッチできるよう360度カメラを搭載しているそうです。
Google Lunarが終了する2015年末を目標に、チームハクトの挑戦は続きます。
Yume cloud
Yume cloudはアメリカはカリフォルニア州を拠点に、
センサーやワイヤレス技術を組み合わせ
動きや光や音などによって表現するプロダクトを開発しています。
隣り合うキューブ同士が反応し合い、様々な色に変化します。
この技術は、先日台湾で行われたアイドルのライブイベントにも
サイリウムとして導入されました。
上記キューブと同じ仕組みを内蔵したサイリウムを観客へ配布し、
色彩による会場、文字通りの一体感が高まったそうです。
アイドルとファンのコミュニケーションが盛んな日本でも
新たなコミュニケーションツールとしての活躍の可能性を感じさせます。
gutygraph -ピョコピョコ-
8×8のマトリクスの中で正にピョコピョコと形が変わるディスプレイです。
ipadにタッチすると、連動してピョコピョコと形が変わります。
木の手触りが暖かみを感じさせ、多くの子供たちがこの展示を楽しんでいました。
遊舎工房 -がじぇショット- (http://yushakobo.jp/)
撮影したものがアスキーアートになってしまうプロダクトです。
カメラ内にはプリンターが内蔵しており、
瞬時に加工したアスキーアートを印刷することができます。
実際に撮影すると非常に精度が高く、しゃかいか!編集部は記念に持ち帰りました。
R2ビルダーズ・クラブ・ジャパン (http://r2d2japan.com/)
R2ビルダーズ・クラブは、スターウォーズ(特にR2-D2)のロボット製作実現にむけ
情報を交換し合うコミュニティです。
スターウォーズの最新作を心待ちにしているファンにとってはたまらない展示。
開発者のRicherdさんも最新作の公開までに動くR2-D2を完成させると
息巻いていらっしゃいました。
ニキシー管時計ガイガーカウンター
ガイガーカウンターは、旧ソ連製のレトロな電子部品使用しています。
ニキシー管をは近年半導体デバイスに置き換えられ、
ここ数十年の間に市場から消滅してしまったデバイスです。
しかしながら、このレトロで可愛らしい外観と温かな光は最先端のデバイスには出すことができない、
独特のやさしい雰囲気を醸し出してくれます。
ヒャッカソン (https://www.facebook.com/groups/435596409902600/)
「ヒャッカソン」は100円ショップのグッズを使ってより便利なもの、新しいものを作るハッカソン。
電子工作は、多くの場合は多額な費用がかかってしまいます。
それに比べて、ヒャッカソンお金を使わずにアイディアに重きを置いて、プロダクトを生み出します。
つくるという枠組みの中にも、様々なアプローチがあることを実感しました。
明和電機 (http://www.maywadenki.com/)
いわずと知れたアートユニット明和電機。
機器の紹介はもとより、軽妙なトークと歌と踊りで会場を沸かせていました。
今年で結成20周年ということもあり、
様々な世代の方が楽しんでいらっしゃいました。
プロダクトがどんな仕組みで作られているのか、
なぜそのプロダクトを作ったのかについて、
Makerと来場者が直接話し合うことができる。
Maker Fairとはとても意義のあるイベントだと感じました。
完成度やそれぞれのアプローチを気にすることなく、
自分の作りたいモノをとにかく形にしてみるということ、
それがものづくりの出発点ではないかと改めて考えさせられました。
(text:加嶋、photo:市岡)
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