道の駅はみんなの舞台!元気な駅長が語る「道の駅 よって!西土佐」によってみた!
「OPEN」の看板を手に、2016年4月10日にオープンする高知県四万十市の道の駅「よって!西土佐」にやってきました。道の駅 よって!西土佐はあの有名な四万十川の流域の中ほど、高知県西部、愛媛県との県境に位置する山間地域「西土佐江川崎」というところにあります。
道の駅 よって!西土佐は、四万十川沿い走る国道441号線にあり、ちょうどお邪魔したのは4月2日のプレオープン期間の真っ最中。ここ西土佐でも桜が満開。眺めも季節もサイコーの時期。
こんにちは!
道の駅 駅長の林大介(はやしたいすけ)さんにお話を伺います。
しゃかいか!では二度目の登場!
林さんはもともとこの道の駅近くの鮎市場という漁業組合の市場長。うなぎ、川エビ、ツガニ、スッポンなどたくさんの川魚を取り扱うご商売をしていました。
この場所には、もともと地域の豊かな食材とそれらの加工品を扱う地域地消をテーマにした「西土佐ふるさと市」という市場がありました。利用者は主に近隣の住民のみなさん、新鮮な野菜や魚が好評でしたが、この道の駅よって!西土佐へと発展的にリニューアル。西土佐ふるさと市では、鮎などの川魚、農業、野菜とそれぞれ代表がいて、林さんはその中でお魚担当。地域の盛り上げ役として道の駅の駅長に就任しました。
今は4月10日の道の駅の本格オープンに向けて、お店の運営やスタッフの指導、地元の人からのリクエストの取りまとめなどで大わらわの時期。お忙しい時にありがとうございます!
でも「がははは!」と元気いっぱい、さすがは駅長。
「みずみずしい野菜と鮎、そしてスイーツ」
実は四万十川流域は道の駅の激戦区。同じ道の駅でもどう違いを出していくのですか?と尋ねてみると「このよって西土佐の道の駅は、みずみずしい野菜と鮎、そしてスイーツが売りだよ」と教えてくれました。いずれも四万十川流域の素材をふんだんに使ったものばかりです。
道の駅 よって!西土佐の野菜とお土産売り場は「水々しい市場」といった名前の通り、野菜や果物が所せましと並んでいます。ここで取り扱う野菜や果物は、西土佐以外の近隣地域のものも並んでいます。道の駅はその運営する地域のものを扱うことがほとんどなのだそうですが、もともとふるさと市に品物を卸してくれていた生産者さんの商品を引き続き、売らせてもらうことになりました。
「野菜の生産者は今も仲間やけー」と林さん。
道の駅がある西土佐は山間地で大きな畑を持ちにくい土地柄。これまでは西土佐からは山で採れた山菜やたけのこなどの山の幸、川で捕れた魚を、近くの地域からは野菜や果物を、といったようにお互いに補い合いながら生活してきました。関係は道の駅ができた今も変わりません。
わらびも小松菜も店員さんもみずみずしい!
しゃかいか!ではおなじみの西土佐で収穫したお米「山間米」
四万十川流域の山間部で作った塩!「土佐の山塩小僧」。塩作りの現場も取材したので記事を待っててね☆
桐島畑さんのジンジャーシロップも置いています。
売り場の中に、そのまま乗り付けたような軽トラのディスプレイには、イチゴをはじめとして、この地域で取れる夏みかんや文旦が並ぶ。
大きな粒のイチゴ!やすいー。
お店の中にある軽トラは、四万十川のシンボルでもあります。四万十川の沈下橋の幅は小さなトラックが通るのがやっと。お互いに譲り合いながら行き交う、この地域の優しさとつながりの象徴。
ナンバープレートは「よって!西土佐」見つけてニヤニヤ、人に教えてニヤニヤしてしまう。
あー!さらに、番地も奇跡の「2410-3(西土佐)」
これは信じられないけど、ほんとなんですよ!
つぎ!川魚
鮎の塩焼き、いい匂い!
まずは四万十川の天然の幸、川魚代表の鮎です。香りを味をお伝えできないのが残念です。行って食べてください。
鮎市場の中にはなまずもいまして、
これがフライになります。お伺いした時はまだソースは開発中とのことだったので、味つけは塩のみ。しかし、これが美味!清流の四万十で育ったなまずは、臭みがなくかぶりつくと素材の旨味がわかる。なまずってこんな味だったんだと感動します。こちらも行って食べてくださいね!(以下同じ)
道の駅の中にはもちろん、食堂もあります。
何を注文しようかな?
サイドメニューも迷う。
パスタにしました。その名も「よってパスタ」。
野菜と小エビの具のパスタに青のりがまぶしてあり、美味しくいただきました。
ごちそうさまー。
そして、駅長おすすめのスイーツ!
道の駅西土佐には、カフェスペース「スロトウベイル山間屋」があり、果物のケーキや、地元名産の栗、番茶を使ったロールケーキ、米粉を使ったクッキーが、パスタで満たされたはずのお腹を刺激してきます。
オーナーの中脇さんは、四万十市西土佐生まれで地元育ち。西土佐村役場に勤務しご当地の商品開発等を担当。早期退職後、平成19年に「山間屋」を設立。先ほどご紹介した山間米や、素材も作る人もオール四万十のスイーツをプロデュースしています。
お腹がいっぱいになったところで、運動。道の駅 よって!西土佐ではレンタサイクルがあり、川沿いを走ることもできます。
ということで、行くぞサイクリング。待ってて沈下橋!
疾走!
桜の下を疾走!!
ちょっと休んで
また走る。あーきもちいー
土手を下って長生沈下橋へ。
沈下橋に到着。
おーいおーい!と、大きな声を力いっぱい出したくなる。
出しました。
満開の桜が両岸にあって、その中に僕たちだけ。ぜいたくな花見やー。
河原に自転車を止め、小休止。
道の駅で買ったイチゴと鮎をパクリさせていただきます。
四万十川の恵みに感謝!
寝転んだりもできます。鮎が打ち上げられているのではありません。
向こう岸の山ぎわにはJR予土線が走っています。電車の音もきもち良い。
道の駅 よって!西土佐の展望デッキ前では、開店前の1時間くらい、お弁当も販売しています。買いに来るのは道の駅のスタッフや地元のみなさん。朝から大変ですが、頑張ってください!
河原で地元食材を使ったお弁当を開けて、
河原で食べて、
そのまま寝る、といった贅沢なこともできます。
帰り道も元気いっぱい自転車を漕ぎます。心地いい風の音をお聞かせできなのが残念。
約6キロの道のりをのんびりサイクリング。同じ道でも車で走るのと違って、自転車はまた違う趣があります。
ちなみに今日走ったサイクリングコースはこんな感じです。
戻ってくると、地元の高校生のコンビが笑顔で「おかえり!」
「ただいま〜!」
この二人はボランティア団体「ラポール」所属で、イベントでお子さん向けに風船アートを実演したり、施設で高齢のみなさんと一緒に手芸を楽しんだり、地元の催しにちょくちょく呼ばれることがあるのだとか。
今日も道の駅 よって!西土佐を盛り上げるお手伝いです。
建物の2階へ。
バルコニーからの眺めも最高。ちょっと立ち寄るだけではもったいない、1日中いてたい。
道の駅 よって!西土佐では、コミュニティスペースとして2階スペースを開放。イベントや寄合にも使ってもらえるようにしました。
広々した空間。まだ新しい檜の香りがしてきます。この檜はこの地域で採れた間伐材を使用。売り物だけではなく、建物にも地元産を生かしています。
ジオラマがあります。
四万十川や、近くを通る予土線、周辺のお家やお店を再現。鯉のぼりの吹き流しもあります。
あ、ちなみによって!西土佐は道の駅ですが、最寄りのJR江川崎駅からはゆっくり歩いても10分ほどのアクセス。近くの風景を眺めながらのんびり歩いて訪れることもできます。
「道の駅の運営」は誰かだけではできない。
道の駅が生まれるまでには建物を作る、商品を調達する、売り場を作る、スタッフを教育・指導する、宣伝をするなどの作業の他にも、役所への手続きや地域住民との調整など、普通の会社を作る以上に大変。道の駅の事業は国土交通省の管轄で、国の地方整備局や県、市との連携が欠かせません。例えば道路標識。よって!西土佐の道の駅の看板を付ける時にも、高さの制限があり好きな場所につけることはできません。また、交通量が増えるのでご近所のみなさんとの意識合わせも重要。
そこで林駅長は、市の担当者である朝比奈さんと強力なタッグを結成。手続きの窓口としてだけではなく、スムーズに進められるようにいろんな入れ知恵(!)をしてもらいました。
僕も朝比奈さんとご挨拶をさせてもらいましたが、それまでは荷物を降ろす作業や陳列を行う朝比奈さんを見て従業員の人かな、と思ったほど。四万十市の担当者さんと気づくことができませんでした。
道の駅は道路の利用者に休憩してもらう外向けの機能の他にも、地域のみなさんに使ってもらうために、いかに巻き込んでいくか参加してもらうかという内向きの機能がとても大切。地元の人は、道の駅にとって、協力者であり、また利用者。集会に場所として使ってもらうだけではなく、運営に参加してもらうことの工夫が必要です。
そのために、20年以上四万十に根をおろして暮らす、これまでも商品づくりや宣伝・パッケージなどにも携わってもらっていた地域デザインの達人「サコダデザイン」の迫田司さんと、売り場づくりや地元の方への参加してもらう方法などを一緒に考えていきました。
売り場に軽トラをディスプレイするアイデアもみんなで考えたものなのだとか。
そして、テーマソングを作りました!
この曲は迫田さんが持つ、友人・知人・知らない人が訪れる謎の一軒家「木賃ハウス」に、しばらくインターンシップとして逗留していたシンガーソングライター柴田聡子さんにお願いして作ってもらったもの。実際にここにきて暮らしてみた人だからわかる風景が盛り込まれた歌詞や、ゆったりとした四万十川の流れのようなリズムで「あゆ〜あゆ〜あゆあゆあゆ♪」と独特の声で歌うメロディは一度聞くと耳から離れない、さらに思わず口笛を吹きたくなる、という中毒性を持ったテーマソング。道の駅の中でもリピートして流しすぎると催眠効果もあるので、ヤバイかもという素晴らしい楽曲に仕上がっています。視聴注意!
80歳を超えていまだ現役の農家さんインタビューも楽しすぎる〜
「よって!」にはいろんな意味が込められています。
ちょっと道の駅で休憩に買い物に「立ち寄って!、こっちに来て!」のよって!
みんなでフリースペースや寄合に「集って!」のよって!
ここでしか味わえないものや体験できないことを「選って!」提供する、のよって!
地元高知のお酒のみの「酔って」。(ドライバーの人はダメ!)
そして、「故に、そういうわけで」のよって!
西土佐に「よって」みる価値は沢山あります。
道の駅は一つの舞台
「一定以上のサービス品質で、いつも同じ商品や食べ物を提供するドライブインとは違い、道の駅の主役は道路の利用者だけではなく、そして地域の生産者、そしてスタッフや関係者のみんなです。
肩ひじ張った周りに自慢するようなものではなく、この自然と同じようにみんな自らが守っていく、というものにしたい。季節の商品を楽しんでもらって、ひょっとすると時期によっては、収穫時期のせいである野菜が売ってないかもしれない。その時は手元にあるもので良いものを買ってもらえればいい。
そういうことも含めて、道の駅で待つ私たちが西土佐のことをストーリーとして、みんなが同じように語ることができなければならない」と林駅長。
「道の駅よって!西土佐」というみんなが主役の舞台は整いました。この場所で駅長を中心にみんながどんなステージを見せてくれるかが楽しみです。
Webサイトには、迫田さんのチームが作った西土佐のみなさんが登場する動画が満載なので、ぜひ見てみてください!
林駅長、道の駅 よって!西土佐のみなさん、今日は本当に有難うございました!
「またよるで!西土佐」のポーズで記念写真。
【詳細情報】
道の駅 よって西土佐
電話番号:0880-52-1398
住所: 高知県四万十市西土佐江川崎2410-3
URL: http://www.yotte.jp/
しゃかいか!編集部から一言
加藤 洋
高知県の四万十川中流域には、魅力的な道の駅がたくさんあります。今回オープンした「道の駅 よって西土佐」の他にも、昨年取材をした「道の駅とおわ」などがあります。のんびり川で遊びながらおいしいものを食べれるのでしあわせです\(^o^)/
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