チョコレートとスナックの工場には、なるほど!がいっぱいあったよ〜♪ 明治なるほどファクトリー大阪
今日の見学はお菓子の工場。元気いっぱいのこども隊員と一緒にレポートしたいと思います!
やってきたのは大阪府高槻市にある「明治なるほどファクトリー大阪」、株式会社明治の大阪工場の中にある見学施設です。「見て、触って、感じて、楽しく学んでもらう」ことを目的として今年2016年4月にリニューアルしたばかり。見学は連日満員御礼の盛況っぷりです。
この工場の中で作っているのは、きのこの山を始めとするチョコレート菓子や「カール」など。
構内に入ると早速チョコレートの甘い香りがしてきます。チョコ好きにはたまらない環境。
JR京都線からも見ることができる、この大きなチョコレートは、「ビッグミルチ」と呼ばれる屋外看板です。なんと「明治ミルクチョコレート」の約47万枚分!「世界最大のプラスチック製広告看板」として「ギネス世界記録TM」にも認定されています。
お菓子の匂いに惹かれるので、さっそく見学にお邪魔したいと思います。
階段を上っていくと突然現れたのは神社!
そうです。カールにちなんで「ウカール神社」。受験ご利益がありそうです。
御本尊はピカピカのカール様。
「お菓子いっぱい食べられますように」
お祈りが終わったところで、カールの生産ラインから見てみよう。
みなさん、おなじみのスナック「カール」の発売は1968年。前回の東京オリンピックの後ですから48年前。「それにつけても、おやつはカール♪」のキャッチコピーが頭に刷り込まれています。
カールおじさんがみんなをお迎えします。
カールの原料は、コーングリッツという乾かしたトウモロコシを砕いたもの。
この原料をエクストルーダーという機械に投入し、水に練り込んだものがカールの生地になります。
練り込んでおかゆ状になったカールの素が、機械の5つの穴からグニューっと押し出されてきます。
この生地は空気に触れると、プクッと膨らみます。その膨らんだカールを回転するカッターで次々に切っていきます。このカッターはすごい速さで回転するので、スローモーションじゃないと見ることができません。
カールは、はじめはカールしていなかった。
今ではおなじみのくるっと丸まった形になったのは、商品開発の時に、偶然ノズルから出てきたのを見た社員さんが「くるッとなっていた形がかわいい」ということで現在の独特の形になりました。
カールがどんどん出てくる。
キャラカールあったべさ!!
カールには、通常の形と違う星の形やカールおじさん、ケロ太の形をしたカールが入っていることがあります。
みんなも食べるとき、注意深く見てみてね。
数十袋にひとつ、といったところでしょうか?頑張ってたくさん食べないと!
冬には、ゆきだるまの形のカールも登場します。
成型されたカールはストッカーに一旦貯められ、
乾燥。水分をとばして乾燥することで、サクサクな食感のカールになることができます。まだ、この段階で味はついていません。
カールは揚げてないんです。
プクッと膨らんでサクサクなので、ポテチのように揚げていると思い込んでいましたが、カールは正真正銘ノンフライのスナック。サクッとした食感が人気となり今日までみなさんに親しまれています。
カールは運ばれ到着する先は、味付けドラム。この回転するドラムの中でチーズなどの調味料が吹きつけられ、まんべんなく味がつきます。
カールが誕生した頃の味はチキンスープとチーズの2種類。日本で初めてのスナック菓子として生まれました。それ以来、たくさんの味が登場し、ナッツキャラメルやチョコレートといった甘い味のカールが登場したこともありました。
地域ごとで人気が変わる味
全国で一番売れているカールは「チーズ味」。関西では「うすあじ」が人気です。濃い味が好まれる東北地方では「うすあじ」は人気がない、など好みの味には地域差があるそうです。
そして、今日作っているのもそのチーズ味。
モニターで出来上がっていくカールたちをライブで見ることができます。
味のついたカールが包装されていきます。
袋詰めされたカールは重量や異物などの検査を経て、カールの完成です!
見学用通路の上には、透明の筒がつないであり、この筒がピカピカ光ると、
カールが到着。
出来立てのカールはあったかい。そして、おいしい。
段ボールに詰められてお店へと運ばれていきます。
カール工場の次は、一つ下の階にあるチョコレート工場へGO!
大っきなミルクチョコ。お腹いっぱいチョコレートを食べる夢を叶えてくれそう。かぶりつきたくなります。
ジャンボサイズのチョコベビーのオブジェが並びます。期待は増すばかり。
生産ラインの前に原料の勉強しましょう。
チョレートの原料であるカカオ豆は輸入されます。
模型の船が動きます。目がキラキラだね。
カカオの木。
このカカオの木になった実の中にある豆を発酵、乾燥、焙煎させたものがチョコレートの原料になります。
これが原料となるカカオポッド(の模型)。
カカオ豆は、白いパルプと呼ばれる果肉の中に包まれた状態で、カカオポッドの中に入っています。
カカオ豆はカカオポッドから取り出されバナナの葉に包まれ発酵。発酵の過程で微生物のはたらきにより白いパルプが液化してなくなり、カカオ豆があらわれます。その後、さらに天日干しを行い、カカオ豆を乾燥させます。
1週間ほどかけて、チョコレートの香りの素が生まれます。その後、さらに1週間かけて天日干し。チョコレートらしい茶褐色へと変化します。
明治では、生産国の農家と適切な栽培方法、農薬の使用方法、健康や安全、環境などについて指導するスクールや、栽培技術や経営について学ぶ勉強会を開催。他にも井戸の寄贈など、カカオ生産国や農家への支援を行い、パートナーシップを深めています。
現地で発酵・乾燥したしたカカオ豆が運ばれ、日本の工場で加工されていきます。
工場に到着したカカオ豆は、不良豆や異物を取り除く「選別」、豆を砕いて種皮などを取り除きニブ(実)を取り出す「分離」、豆を焼き上げる「焙炒」、ニブを細かくすりつぶす「磨砕」を行うと、液状のカカオマスになります。
ローストする前のカカオ豆は、まだ少しエグ味が残っていますが、
ガス火で丁寧に焙炒するとマイルドになって、いい香りになります。
きのこの山の製造工程を見学します!写真はキャラクターの「きの山さん」!
カカオの豆には、ココアバターという油脂が含まれていて、25℃以上で徐々に溶けはじめます。そして、ミキサーで、カカオマス・ココアバター・砂糖・粉乳などを混合されたチョコレートの原料は、舌の上でざらつきを感じない程度(15〜25ミクロンの粒子)まで細かく(微粒化)します。すりこぎではできないくらい細かく。
その後、時間をかけてよく練りあげる(精錬)によってチョコレートのあの素敵な香りと風味が生まれます。
次に行うのが、成型。この樹脂型の中に入れて形を作っていきます。
チョコレートを流し込む。
きのこの山は2層のチョコって知ってましたか?
きのこの山は外がカカオの香りが引き立つチョコレートで、内側がミルクでまろやかなチョコレートの2層構造。手間がかかってるなあ。
軸のクラッカーは?というと、先ほどのチョコの型に独自の方法で入れられていきます。
冷蔵庫で冷やされ固まると、型から製品を抜いていきます。
ブワァーっときのこが出来上がり、包装されていきます。
ここできのこの山も完成!
ここではX線検査の仕組みを勉強。
X線検査装置は食品工場などで異物を見つけるために検査する機械。
X線で密度の違い探知することによって、石やガラスなどの異物を検出しします。原理はレントゲンと基本的に同じです。
マカダミアナッツで、きちんと検出するかテストしてみましょう。
これが、正常な場合。異物らしきものも見当たりません。
この画面から、テストのためにわざと入れたクリップを見つけることができます。
次の画面では、テストのためにわざと製品を不足させ、その様子がわかります。
異物ではありませんが、個数の不足やチョコレートの欠けや割れもこの機械で知ることができます。金属探知機や重量検査などを組み合わせて、きちんとした製品がお客さんの元に届くような仕組みが、ラインにはいくつも設けられています。
このような検査を通過した製品だけが、お店に並びます。
きのこの山は1975年に発売された商品。本社の開発部門だけではなく、ここ高槻の大阪工場と一緒になって開発されました。「きのこたけのこ戦争」といって姉妹品の「たけのこの里」と人気を二分するきのこの山ですが、みんなはどっちが好きかな?
工場見学の後も、こども隊員たちはカールおじさんと遊んだり、
会社の歴史を勉強。
今年で100周年なんですね。おめでとうございます!
最後はカールおじさんと記念撮影で終了!
いつもお店やお家でしか触れることのないカールときのこの山が生まれるところを、楽しみながら学ぶことができて、こども隊員たちも大満足!
いつも楽しく食べているチョコレートやスナックが、お菓子工場の人たちの手で安全に手間をかけて作ってくれていることを間近に見ることができました。
これからも、今日の見学を思い出しながら、有難うという気持ちを忘れず、引き続きおいしくたくさん食べていきたいと思います。
明治なるほどファクトリー大阪、そして大阪工場のみなさん、今日はありがとうございました!
【詳細情報】
明治なるほどファクトリー大阪
電話番号:072-685-5031
住所: 大阪府高槻市朝日町1-10
URL: https://www.meiji.co.jp/learned/factory/osaka/index.html
(text:西村、photo:加藤 ※一部の写真は明治さん提供)
しゃかいか!編集部から一言
加藤 洋
工場の構内に入るとチョコレートの香りがふわふわしてます。お菓子工場はやっぱり大人気。是非、見学に行ってください〜!
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