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35年愛されるには理由がある、生協で一番売れているジュース「ミックスキャロット」 ゴールドパック

記念撮影

今日は生協さんの工場見学にしゃかいか!もお呼ばれして参加。日本生活協同組合連合会は、定期的に全国の会員生協の組合員さんや職員さんが集まって商品の製造現場を見学する「ラブコープ商品 工場・産地見学会」を行っているんですよ。

パッケージサイズ違い

今日見学させてもらう商品はこちら「CO・OPミックスキャロット」です!生協の組合員さんには「ミッキャロ」という愛称でおなじみの商品。今年2016年は発売から35周年のアニバーサリーイヤーで、1981年の発売以来27億2800万本(160g缶換算)で、なんと缶を並べてみると地球4.9周分。生協が誇る大人気商品です。子どもの頃から飲んでたよー、という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

搾汁の工場に来たミックスキャロットを作っているゴールドパック株式会社の工場は長野県松本市と安曇野市にあり、原料となるにんじんやりんごの搾汁といった一次加工を行う松本工場、調合や充てんなどの二次加工を行うあずみ野工場と二つの工場で分担して、製造しています。
まずは搾汁を行う松本工場から見学します。

松本工場中川さんガイドしていただく製造本部長の中川さんです。今日はよろしくお願いします!
中川さんは入社して40年近い大ベテラン。ちょうど入社した頃には、ミックスキャロットの開発と同じ時期で試作品づくりにも携わったのだそうです。
「俺の人生はミッキャロとともにある!」

ミックスキャロットとかいてある「1981年 CO・OPミックスキャロット」と松本工場の看板にもしっかり書かれております。誇りを感じます。

工場遠景それでは早速お邪魔します!

ずらり

パッケージがずらり。発売から35年という月日を感じます。ミックスキャロットは、これまでににんじんの配合率を変えたり、使っている果汁の種類を変えたりと味は何度かリニューアル。発売当時は「子どもさんが嫌いなにんじんを少しでも口にして欲しい」という思いから開発された商品でしたが、1990年代に入ると品種改良が進み、にんじんは子どもが好きな野菜ベスト3に入るほどイメージが向上。開発コンセプトも「にんじんの嫌いな子どもに飲ませる飲料」から、「子どもから大人まで家族みんなでごくごく飲んで欲しい」と、時代とともに変更されてきたのだそうです。長く愛されるためには、努力を怠らぬ姿勢がたいせつ。

商品開発研究所

ずっと変わらない、砂糖と香料不使用。
しかし、ずっと変わらないのもミックスキャロットが長く愛されている秘密。発売以来大切に守り続けているのが砂糖と香料を使わないこと。原料の味をそのまま生かしてずーっとミックスキャロットは作られ続けてきました。そして、国内で生産される原料を使うことも大切にしています。

りんごカゴ原料となるりんごのカゴがドン!と置かれています。カゴのひとつに入っているのはりんご500kg。果実や野菜から汁をしぼる「搾汁」は、りんごだと8月から翌年1月、にんじんでは12月から3月というように収穫する季節に合わせて行われます。

りんご保管庫

ミックスキャロットの原料となる長野県産のりんごたち。
ゴールドパックはもともと地元の農産物振興を目的に生まれた会社で、設立当初は原料も長野県産のものがメインで使われていました。
今日見せてもらうりんごは「つがる」という品種で、早生種(早めの時期に収穫できる種類)のひとつ。時期が中頃の「中生種」には、シナノゴールド、シナノスイート、秋映(あきばえ)という品種があり、これら三つは「シナノ三兄弟」と呼ばれているそうです。

原料の管理

ジュースに使用される原料は製造年月日や使用ロットなど各種の情報が二次元コードで管理されていて、原料の受け入れから出荷まで厳しく管理されています。その名も「GPS」といいます。人工衛星のあのGPSではなく、“Goldpak Integrated Process Control System(ゴールドパック総合プロセス管理システム)”の略で、「間違えないように作業しよう、原料の履歴がわかるようにしよう」ということが目的です。

お美しいりんごたち、と言いたいところですが、ジュースには生食では売れにくい規格外サイズや色や形が悪いものが使用されます。そして、このりんごたち、最近では高齢化・農業離れによる生産者が減少しているため、供給が不足気味なのに加え、品種改良によって不良果率が低くなり加工用に回る量が減ってきているそうです。質が良くなって数が減るって、ジュースの原料を確保するのも大変なのですね。
「でも、これからの季節、台風で落ちたりするのを使えるんじゃないのー」と頭に思い浮かびましたが、台風で落ちたりんごは、加工用でも安全性を保証しなければならないため、ジュースでは使用することができないのだそうです。

一次加工ラインへ

カゴに入ったりんご500kgは原料投入口へ。

カゴをセット

カゴをセットし、フタを開ける準備。

流れていく

りんごの表面の傷つきを防ぐために水槽へ投入。

カゴが傾く 搬入口のアップ

おいしいジュースになってね!

投入されたりんご

水槽に入ったりんごはコンベヤーで工場内の洗浄槽へ移動します。

製造ラインへお邪魔します

大きなタンクの間を通り抜けて、僕たちもりんご搾汁ラインへ。

バブル洗浄機

運ばれたりんごたちは「バブル洗浄機」を通過します。エアバルブリングとブラシ洗浄で表面をきれいにしてくれる装置です。

バブル洗浄ヨリ

表面が輝いてきた。きれいになったね!

ブラシで磨く

洗浄を終えたりんごたちは、ブラシで磨き上げられます。

選果

「選果」とは文字通り、果物を選り分ける工程。ラインの中で働く人たちは、傷のついた部分を「トリミング」します。次々と運ばれてくるりんごの傷の部分を見つけて丸ごとひとつはじくのではなく、部分的にナイフで取り除いていきます。

手元

見つけて選ぶ、ナイフで傷の部分を取り除きつつも次のりんごの傷を見つける、をずっと繰り返します。不良率が高い時にはコンベヤーのスピードを遅めに、低い時にはその逆と調節するそうですが、継続的な集中力が要求されるので、定期的に休憩を取りながら作業をするそうです。毎日お疲れさまです、ありがとうございます!

搾汁機

こちらが搾汁機です。りんごのジュースが搾られるマシン。

ジュワーっと出てくる

網目からジュワーっとジュースと果物の繊維が搾り出されます。
この繊維質は「パルプ」と呼ばれ、ジュースの食感を出すために使われたり、焼肉のタレの原料になります。カスではない!

皮や種は捨てられる

搾った果肉部を裏ごししてパルプ部を取り出します。捨てられるのは、種や皮だけです。

検査される

搾汁されたりんごの液は、検査室で、

理化学検査

糖度や酸度が規格内に入っているか、といった理化学検査や、

官能検査員

厳しい訓練を経た検査員による官能検査(目と舌)でチェック!

いただきます

取材メンバーもついでに、いただきます!

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搾汁液は、煮詰められ濃縮されます。

缶に詰める 搾汁アップ

検査を合格したりんごの搾汁液は大きな缶に詰められ、

冷蔵庫へ移動

冷蔵庫へ移動します。

扉を開ける

開け、冷蔵庫!

寒い

中はマイナス20度くらい、さぶい。

ドラム缶が並ぶ

冷蔵庫の中で使われる日を待ち、ジュースを充てんするあずみ野工場へと運ばれていきます。

パルプ

一方その頃、搾汁機で分離されたパルプは、やはり搾汁液と同じように一部が取り出され、

検査される

検査へ。

パルプ充てん

検査を合格したパルプは専用調合タンクで待機。充てんを待ちます。

缶に貯められる 逆さまで洗浄される

缶は中を洗浄し、

缶が運ばれる

スルスルとコンベヤーの上を移動。

筒が入る

注入用の管が挿入され、

筒を抜く

いっぱいになると管が抜かれ、

すばやく受ける

こぼれないように受け皿が素早く、ひょいっと出てきます。
かしこい!

出荷

パルプの入った缶は逆さまにして積まれます。これは中のまだアツアツの熱で缶全体を殺菌する、という目的があります。

品質保証部看板

出荷前には先ほどの味の検査とはまた別に品質保証部で

品質保証部中

理化学検査、官能検査、微生物検査が行われます。

スライドでGPS勉強

ここで取材メンバーもあずみ野工場に移動し、組合員と一緒に品質管理の取り組みを勉強。

笑顔で聞いてる

そして、ゴールドパックの工場見学には欠かせないという長野県中信地方の方言講座を受講ズラ。

イヤホンをセット

イヤホンをセットして、見学がスタート!

吉田さん

今日のガイドを担当してくださる第三製造課課長の吉田さん。いっぱい教えてください!

見学スタート 食の安全ツアーパネル

あずみ野工場は見学者用通路があり、実は生協のみなさんの見学を受け入れるために作られたものだそうですよ。ミックスキャロットが作られる工場には、にんじんと果汁と生協さんへの愛情がたっぷり。

野菜ジュースだ

野菜ジュース、トマトジュース、にんじんジュースがずらりズラ。ちなみにゴールドパックは日本で初めて野菜ジュースを作った会社なんですよ。

試作品の缶

ミックスキャロットの開発時の試作缶もある。

81年とかいてある

賞味期限は1981年9月19日、歴史を感じる!

工場鳥瞰

いくつものパイプが張り巡らされています。1リットルのパックだと1時間になんと6,000本!ものジュースが生産される能力があるのですって。

見学者通路イメージ

すごいわ、と参加者も目を見開く。

PET充てんライン

あずみ野工場では、ペットボトルと紙パックのジュースを作ることができます。
製造区域は、大量の製品が生産されているのでほとんど自動化されています。ひとつのラインで数人しか見当たらないのですが、こういう切り替え作業や機器の洗浄のタイミングになるとブワァーっと人が登場して作業します。

調合タンク

ペットボトルと紙パックで工程に違いがあるので少し勉強。
先ほど松本工場でみた搾汁液を調合後、ペットボトルの場合は、調合液を殺菌した後、熱いまま容器に充てん。さらに容器の中は殺菌されていないので、調合液のアツアツの余熱を利用して殺菌。次に「パストライザー」という容器ごと温水シャワーにかけて冷却する機械に通して、徐々に冷却していきます。
一方で紙パックは、『無菌充てん』といって調合液を殺菌直後に冷却、その後に殺菌した紙パックに詰めて製品にする。つまり、紙パックに詰められたときは冷たい状態になっています。

充てん機上から

紙パック充てん機は、容器を作りながら中身を詰めていく賢いマシン!
紙パックは出来上がった容器に中身を入れていくのではなく、容器を成形しながら、中身を充てん、同時に密封してしまう、という一台何役もこなす働き者の機械。
この機械の中で、

丸めて包んで

1枚の紙だったのが、こうやって丸めながら、中身の液体が充てんされるんです。

パッケージのロール

特別に近くで見せてもらいました。紙のパッケージはもともとこういうロール状になっています。

ロール送り出される

このロールが送り出され、

テープが貼られる テープヨリ

紙の端どうしをくっつけるストリップテープを貼り付けつつ、

殺菌される

パッケージの中面は、機械の中で殺菌。

液体はこの中を通る

ジュースの中身はこの中のパイプを通って、

巻かれる

パッケージが成形されつつ中身が入りつつ、境目がカットされていきます。
パッケージの素材はアルミ箔とポリエチレンが使われていて、無菌状態を保持する加工が施されています。このアルミ箔とストリップテープを熱で溶かして圧着、密封状態が完成するというわけです。

出来上がってくる

これで充てん完了!

密封状態チェック

充てん機の横のスペースでは、デスクと奥にはパックの残骸があります。
これは30分に一度、実際に容器の破損や密着部のズレなどで密封状態が損なわれていないか、を確認するところです。
自動化されたマシンの横で、絶えず人間がチェック。中身の味の確認はもちろん、パッケージに関しても人の目で何重にもチェックされ、安全が保たれているのですね。

ライン1 ライン2

ラインに戻りまして、

賞味期限の印字

できあがったミックスキャロットは、賞味期限の印字、

印字チェック

印字のチェック、

ストロー供給 ストロー貼り

ストロー付け、

箱詰め

箱詰め、

外箱の検査

外箱の賞味期限の印字と確認、そして、ウエイトチェック。

パレット積み

パレットに積まれて、出荷を待ちます。

飲んでみる

おつかれさまでしたー、と休憩しているのではなく、

検査キット

あずみ野工場の検査室にお邪魔しています。

製品と調合液のチェック

「前回調合液」とは味の目安となるジュース、「調合液」とは先ほど調合が終わったばかりのジュースです。検査員の舌でこの二つの味を比べ、調合液が基準を満たしているか、が確かめられます。

目視で検査

目視で異物が含まれていないかも確認します。

原料での検査、品質加工室での検査、調合液の検査、ラインでの点検などなど、出荷されるまで本当に検査がたくさんで大変!

動画でもご覧ください!

楽しそうに質問 質問回答イメージ ピカピカ質問

見学が終わった後の質問コーナー。
「工場はそんなに古くないけど新しくもないと聞いていますが、見学させてもらってピカピカで驚いた。こんなにピカピカなのはどういう風に保たれているのか、教えてください。」という質問。実は僕も今日のために掃除したのかな?と思うくらいきれいだったので、関心のある質問でした。

池上さん

「ありがとうございます。ただ、ここにいるメンバー全てそうなんですが、決して今の状態が綺麗だとは満足していないと思います。恥ずかしながら、まだまだたくさん足りないところがたくさんあります。確かに見ていただいたところは綺麗かもしれませんが、よくないところはまだたくさんあるので、日々研鑽して積み重ねていかないといけない。他の工場もそう、現状に満足せずやるということが大事だと考えています」と回答していました。

質問する人も答える人も目がキラキラしていたのが印象的。たくさんの人に飲んでもらう、特に生協の組合員さんはみんな目が厳しいから責任重大だけど、真正面から受けとめているなぁ、すごいなぁと感じたやりとりでした。

記念写真

ミックスキャロットの見学に参加させてもらって、感じたのは作る現場のみなさんも飲む組合員も愛情がとても深いこと。そして、みんなひとつの商品を真ん中において本気で向かい合いひとつの商品を作り上げ、改良し続けています。35年も続く生協でもっとも愛されているジュースは、この深い愛情と生真面目な姿勢に支えられているんだな、と思えた今回の体験でした。

【詳細情報】

日本生活協同組合連合会

生協の組合員さんとゴールドパックさんとの交流会の様子はこちら(コープ商品サイト)

ゴールドパック株式会社 あずみ野工場

電話番号:0263-73-5500(代)
住所:長野県安曇野市堀金烏川1984-1
URL: http://www.gold-pak.com/

昨年の見学会の様子はこちら。

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