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世界中のプレーヤーが信頼を寄せる!!品質を徹底的に追求した卓球のラケット BUTTERFLY(バタフライ)
埼玉県所沢市に、リオデジャネイロ・オリンピックで2個のメダルを獲得した水谷隼選手、ワールドツアーで史上最年少優勝記録を更新し、「チョレイ!」の掛け声で注目を集める張本智和選手、ロンドン・オリンピックで銀メダル、リオデジャネイロ・オリンピックで銅メダルを獲得した福原愛選手、世界卓球とオリンピックで金メダルを獲得した張継科(中国)、ヨーロッパの頂点に6度立ち、欧州の貴公子と呼ばれるティモ・ボル(ドイツ)をはじめ、世界中のトッププレーヤーが絶大な信頼を寄せる卓球用品のブランド「BUTTERFLY(バタフライ)」の生産工場があります。
1950年、卓球の全日本チャンピオン(混合ダブルス)で創業者の田舛彦介さんが卓球用品の総合メーカー「株式会社タマス」を創業。以来67年間、卓球のラケットやラバーなどの卓球用具を提供。ブランド名を「BUTTERFLY(バタフライ)」にした理由は、「選手を花にたとえるならば、 私たちはその花に仕える蝶でありたい」という創業者の思いから。
今日は、そんな思いで卓球という競技を用具の面から支えてきたバタフライが、なぜこんなに世界中のプレーヤーに選ばれるのか、その理由を探しに、見学にやってきました。
会社のエントランスに入ると、目に飛び込んでくるのが「世界卓球 2014年東京大会」で実際に使用された公式卓球台。ボールの跡が至るところに付いていて、激闘の様子をうかがい知ることができます。このようにバタフライは、卓球台やボールを世界卓球をはじめとする数々の公式大会に提供。世界的に信頼されている証し!
廊下の壁には描かれているのは、契約選手たちのシルエット。なんとなく誰かわかります!
「サァーッ!」と気合を入れて、いよいよラケットの生産現場におじゃまします。
こちらが、工場の中を案内してくれる生産チームの長尾さんです。中学・高校と卓球部に所属し、卓球をこよなく愛す、入社20年以上のベテランです。
よろしくお願いします。
まずは、ラケットの素材となる木材を見せてもらいます。
卓球の用具は、"ブレード"と呼ばれる板に持ち手の"グリップ"を付けた「ラケット」に、ボールを打つための「ラバー」を貼り合わせて使います。ブレードの厚さの少なくとも85%は天然の木でないといけない、とルールで決められています。
しかし、木の種類はこれでないといけない、という決まりはありません。
ブレードに用いる木材は、これまで蓄積したノウハウや適性をもとに、タマスの研究開発チームがラケットに適した木材を厳選して探し出して来ます。
こちらの倉庫に保管されている天然木は現在20種類ほどです。
他にも日本産では、なんと伊勢神宮で使われるのと同じ木曽檜が使われることもあります。ひょっとするとこの木材たちも伊勢神宮に使われていたかもしれません。しかし、現在では木曽檜は貴重で高価という理由でラケットの材料として使われることは少なくなってきているのだそうですよ。
入荷した木材は、ブレードに加工しやすい大きさ(A4サイズぐらい)にカットします。
その時に、節や難点、木目の具合などを見ながら、使えない部分をよけて切断してきます。
さらに、単板に使う木曽檜は木目や立ち目を厳しく選別した後、品質ごとにランク分けした上で自然乾燥されます。
この道40年以上の職人さんを始めとした熟練スタッフが、基準に合っている木材を選別します。
ラケットには一枚の板で作られる「単板」、複数の板を貼り合わせる「合板」があります。合板のラケットは、上板・添芯・中板など使われる部位によってもそれぞれ適性があるため、加工された木材は適材適所に分類して保管されます。
ラケットには5枚合板、7枚合板などの仕様があり、合板のラケットはこれくらい薄いものを貼り合わせて作られます。
厚みは0.1mmでも反発力や重量に影響するので、板の組み合わせ方は、設計者の本領が発揮されるところ!
続いては、板の接着。
ラケット本体の厚さは少なくとも85%は天然の木でなければいけませんが、残りの部分は規定の範囲内において、繊維材料で補強することが可能です。
バタフライではカーボンなどの特殊素材を搭載しているものもあります。
例えば「ZLファイバー」という繊維は防弾チョッキにも使われています。最近は異なる繊維素材を交織した特殊素材を搭載したラケットが人気で、加工はとても難しいのだそうです。言い換えると、腕の見せどころ、ってことです。
それぞれの板に接着剤を塗布して貼り合わせた後、一晩ほどプレス機で圧力をかけます。
接着具合には温度・湿度が影響するので、合板接着室には温度湿度計があります。
合板後には、接着具合を確認します。
チェック項目は、仕様通りに貼られているか?など多数。
木材が相手なので、品質を保つためには、このように一つの工程が終わるごとに検査を行わなければなりません。
続いて、ラケットの外形を抜くNC加工。
この機械では一度に24枚の合板を同じ形状に加工することができます。
A4サイズの合板が動いてだんだんラケットらしい形になっていきます。
加工された板は、バタフライ独自の機械でヤスリがけを行い、仕様通りの形に整えます。
外側の形状が整えられた後は、サンダー仕上げ機で表裏を削って厚みを調整。その後、検査を行います。
「正確な作業は機械、品質を見極めるのは人間。どちらが欠けてもいいものは作れません」と長尾さん。
表面を磨いてツルツルにしてくれます。
これでブレードが完成!
続いて、グリップ部分の加工です。
グリップの最終工程は、一つ一つの部品を人の手で研磨して、人の目で検査。グリップは、プレーヤーの手とつながり合う部分なので、慎重に仕上げなければなりません。
加工を終えたブレードとグリップが、ついにひとつに!最後は人の手でグリップをブレードに貼り合わせて、プレス機で圧力をかけます。
いよいよ最終の仕上げ。
グリップとブレードを接着した側面やグリップエンドはまだデコボコしているので、そこを磨いてより一体化したラケットに仕上げていきます。
この工程では、仕上げ磨きだけではなく、品質のチェックも行います。
社歴40年を越す大ベテラン、荒尾さんの指導のもと、11年目の谷口さんに技術と徹底的なバタフライの品質基準とマインドが伝えられ、現在は谷口さんが中心となってさらに次の世代へと受け継がれています。
グリップエンドのマークはバタフライ製品の証。
まだまだ終わりではありません。ブレードの表面に製品名やロゴがプリントされます。
最終検品。もちろんここでも人の目でチェックします!
無事チェックを通過したラケットたち。木の板がこんなに美しい製品に仕上がりました。
検品を通過したものだけがレーザーでシリアルナンバーを刻印され、箱詰めして、ようやくラケットが完成!
今回の見学で心に染み込んだのは、1本のラケットに関わる人たちの、品質を徹底的に追求する姿勢です。競技として使われるものなので、もちろん厳しいのだろうな、と考えていましたが、実際に生産現場を見てみて、その厳しさは想像以上でした。
今日レポートしたのは一部ですが、それ以外にもたくさんの工程があり、その作業が終わるごとに行われる検査。業務の半分は検査かもしれない、と思うほど。天然の木を扱う難しさを人の目で見て手で触れて、ノギスで測って幾度も検査を重ねる。
このことが精度の高さと仕上がりの美しさを両立した製品づくりに繋がり、トップアスリートから初心者まで、世界中のプレーヤーに信頼されている理由なのだな、ということがとてもよくわかりました。
皆さん、今日は貴重な現場を見せてもらって、本当に有難うございました!
(text:西村、photo:林、市岡)
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