金箔の最終ゴールは紙を育てる仕込みにかかっている! 箔座
今回は、金、金、金!豪華絢爛、金づくし。
金箔の製造・販売を行う箔座さんの金沢市内にある箔座本店の「黄金の茶室」からこんにちは!
かの豊臣秀吉の金の茶室をモデルに約4万枚もの金箔を使用してつくられています。
総工費1億円のこの重厚さに身も引き締まる思いです。
金箔生産量99%!金箔はほとんど金沢産
金沢は、金箔生産量の99%のシェアを誇る金箔王国です!
京都の金閣寺や平泉の中尊寺金色堂を覆う金箔は全て金沢産なんですよ。
なんと、警報機まで金とぬかりなし!
いつも安全のためにヘルメットを被ってきましたが、
むしろ、ヘルメットを被っていて、
ぶつけるのではないかという危険を感じた現場は初めてです。
薄さ、わずか1万分の1~2mmのゴールドが番茶にも!
金沢で金箔の製造が盛んになったのは、
箔づくりに適した湿度や気温、水質に恵まれていたからです。
加賀藩前田家のおかげで金沢箔の製造が発達し、需要が増したことも理由の一つです。
金沢箔の危機に立ち向かう職人たち
しかし、金沢箔存続に危機の時代が!
江戸時代になると、幕府が江戸と京都以外では金箔製造を許可しない「箔打禁止令」を出したことで、金沢での金箔製造が禁止されてしまいます。
そんな中でも、金沢の箔職人たちは、技術を残すため密かに箔打ちを続けていました。
やがて、明治維新で江戸幕府の箔の統制はなくなり、
金沢箔の生産は自由になり、箔打ち職人たちは思う存分に箔を打ち始めます。
大正時代には、箔をつくる職人さんが千人以上も!
昔の書物の中には、芸妓さんの旦那さんが箔職人だったりと職人さんの中でも花形だったそうな。
しかし今では、箔打職人さんの数は数十人。
30代前半の若手職人さんの教育を始めているそうです。
ベテラン箔職人の青嶋繁夫さん(66)が工程をご紹介してくださいました。
◼︎金沢箔の縁付製造は3工程(金の薄さ)
⒈延金(100分の5〜6mm)
⒉上澄(1,000分の1〜2mm)
⒊箔打ち、箔移し(10,000分の1〜2mm)
打って!打っての繰り返し
工程3の箔移し前の準備「打ち前」では、
1.800枚の上澄をはさんだ箔打ち紙の束を箔打機で連打します。
箔打ち紙を育てて一人前
「金箔の製造は、紙の仕込みで良し悪しが決まる」
金箔は、紙の束に入れられ、打ち伸ばされ、それを別の紙へと移し替えられ、その繰り返しで出来上がっていきます。
あぶらとり紙の元祖
手透きの和紙を半年ほどかけ、藁灰汁、柿渋などの液体に浸して、機械打ちを繰り返し、箔打ち紙に育てられます。
金を打ち、弱くなれば再び仕込みを重ねます。
この使い込まれた箔打ち紙がふるや紙と呼ばれ、あぶらとり紙の元祖なのです。
どうりで、脂がごっそりととれるんですね。
薄い!薄い!1万分の1の世界
1万分の1mmの薄さにまで打ち伸ばされた金箔を1枚ずつ箔打ち紙から抜き取ります。
薄い金箔がやぶけないように慎重に。
しゃかいか!メンバーも息を飲みつつ見守ります。
金箔の移動瞬間
箔打ち紙から取り出した金箔は手漉きの和紙でつくられた冊子の中に挟み込んでいきます。
金箔をさっと一枚ずつ和紙の上にのせ、青嶋さんが息を吹きかけると金がサーっと紙一面に広がります。
これぞ職人技!
魔法の息が吹きかかると金もいうことを聞きます。
早くて5年で金箔づくりの工程を一通りはできるようになるそうだが、金箔づくりの世界はベテランも一生修行中だと言う。
青嶋さん、普段はガラス越しでしか見れない工程を間近で実演して頂き、ありがとうございました!
店頭に並んでいた箔座のPR大使というキャラクター、金箔パンダちゃんを手ににっこりのおっちゃん。
三味線聞こえる、ひがし茶屋街へ
さて、場所をうつし、城下町の風情を現在もそのままに残した「ひがし茶屋街」にやってきました。
芸妓さんによる艶やかなお座敷芸も体験できます!
鼻息をとめて箔押体験!
ひがし茶屋街には、箔押体験ができる箔座稽古処(箔座ひかり藏内)があります。
では早速、箸コースで体験申し込みです。
まずは、箸に色付けされた銀箔を付けます。
次に、普段触ることなど無い金箔を贅沢に広げ、くるくると箸に巻き付けにんまり。
要らない金箔をはけで落とすのですが、もったいない!
金箔を全て箸につけてやりたくなります。
じゃじゃーん!
出来上がった黄金の箸は、思い出の品としてお持ち帰りできます。素敵!
ご案内してくださいました四十万谷さん、店長の小石さん、箔座の皆さまありがとうございました!
【詳細情報】
箔座株式会社
箔座本店
電話番号:076-251-8941
住所:石川県金沢市森山1-30-4
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箔座稽古処
電話番号:076-252-3641
住所:石川県金沢市東山1-13-18(箔座ひかり藏内)
URL: http://www.hakuza.co.jp/
(text:坂田 photo:市岡)
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