見て食べて遊んで楽しんで、五感フル稼働のガリガリ君の工場見学!!
赤城乳業 本庄千本さくら『5S』工場
みなさん、毎日暑い日が続きますが...ガリってますか〜??
今日はそんな猛暑を吹き飛ばそう、ということでみんなが大好きなアイスクリーム「ガリガリ君」を作っている赤城乳業の本庄千本さくら『5S』工場にやってきました。
赤城乳業は埼玉県に本社を構えるアイスクリーム専業メーカー。おなじみのガリガリ君をはじめとするユニークなアイスや、とっても楽しいテレビCMでもおなじみの会社です。
工場があるのは埼玉県の本庄市。この工場の近くを流れる小山川の土手に広がる桜並木は、お花見の時期にはたくさんの人で賑わう埼玉県でも有数の桜の名所。だから工場の名前にも「千本さくら」と入っているんですね。もう一つの「5S」の秘密はまた後ほど!
工場の壁面にも、でっかくガリガリ君!ALL SEASONS ガリガリ君!
今日は、赤城乳業のこと、そしてガリガリ君ができあがるまでを学んでいきたいと思います。
Let’s ガリガリ君。
エレベータでお出迎え。
後ろから見るとお尻みたい。
ガリガリ君ソーダ味をモチーフにしたソファで座って工場見学のスタートを待ちます。
待ってる間に顔ハメ写真で遊ぶ。
もう楽しくなってきた!
まずは映像で赤城乳業の生産体制やガリガリ君のこれまで、製造工程サクッとガリッと勉強。
見学の際の注意事項などを聞いて、
ガリガリ君のおっきな口からいよいよ見学スタート!!
ガイドしてくれるのは、笑顔がとても素敵な宮崎さんです。よろしくお願いしますっ!
赤城乳業の歩みや貴重な品をアーカイブしている展示コーナーから。
ガリガリ君は当たりくじつきアイスとしておなじみですが、昔のアイスでは当たりが出るとおもちゃやメダルがもらえたそうです。昔のポスターのテンションの高さは、今のガリガリ君にも通じるものがあります。
アイス以外の冷凍食品なども作っていました。
初期のアイスたち。ラムネのアイスは「10円」。時の流れを感じます。
赤城乳業の前身は1931年創業の広瀬屋という氷屋さんで、30年後の1961年に赤城乳業という名前になり、アイスクリームを作るようになりました。
大ヒットした「赤城しぐれ」というかき氷のアイス。
このスプーンですくうタイプのかき氷を、子供たちが片手で食べられるようにと考えられたのが、
スティックタイプのガリガリ君!
発売当時は50円でした。
あれれ!?でも、なんだか今のガリガリ君とは顔が微妙に違うな、と思ったあなたは大正解!!
ガリガリ君が登場したのは1981年。このイラストは当時の社員さんが書いたもので、昭和30年ごろにいたガキ大将をイメージしたもので、中学3年生の設定だったんだそうです。しかし、消費者調査の結果、アイスなのに暑苦しい感じがするとか、この顔だとレジに持って行くのが恥ずかしいなど、残念ながらあまり評判が良くありませんでした。楽しいイラストなんですけどね。
そして、1997年に少しリニューアルしたのがこちら。ちょっとだけ爽やかさ増量。だけど、まだ田舎くさい、などの声もありました。
そして、発売から約20年を経た2000年、大々的にリニューアル。元気・楽しさ・いがぐり頭というガリガリ君らしさは残しつつ「永遠の小学生」という設定の現在のガリガリ君が誕生しました。
その後、赤城乳業を代表する大人気商品となり、
リッチや大人シリーズも加わりながら、さまざまなフレーバーを展開、毎年新しい味が登場し、アイス好きのみんなをワクワクさせてくれています。
こちらは衝撃の3部作と呼ばれる、コーンポタージュ味、シチュー味、ナポリタン味。
第1弾がコーンポタージュ味は人気が出すぎて製造が追いつかず販売途中で中止。第3弾のナポリタン味は、お客さんから味がまずいと意見があり、3億円の大赤字となってしまった幻のアイスです。インパクトが強かったので記憶にある方も多いのではないでしょうか。
さまざまなキャラクターとコラボした商品を作ったり、
温泉まんじゅう味の当たりの景品で温泉の素を作ってしまったり、
サッカー日本代表とコラボした、サッカー日本代表バージョンのガリガリ君ソーダを発売。ちなみに背番号60は、当時のガリガリ君の価格であった60円からとった背番号。
ちなみに25年も価格を据え置いた60円という定価も、2016年4月には70円に値上げし、背番号も70番になりました。
値上げのCMもとても話題になりましたね。
ガリガリ君の歴史を学んだ後は、いよいよ製造ラインの見学。
見学通路の床はソーダ味を模したブルー、通称「ガリガリブルー」です。
製造ラインの床や働く人たちの作業服もガリガリブルーと、徹底しています。
そして、働いている人の着ている服には色の他にも、もう一つ特徴があります。
この赤城乳業千本さくら『5S』工場で働く人たちは、3種類の作業服があり、一番左側の濃い青色のジャンバーは外で作業する人が着るもの。真ん中の構内着は、食事やトイレに行く際に使用し、一番右側の服は、アイスを作る区域で着ている製造着です。この製造着は頭からつま先までつながり、体の毛の落下を防ぐために袖口は二重構造になっています。
食品工場では、中と外の2通りしかないのが一般的でしたが、この工場ではより衛生度をより向上させるために、もう一つ中間着となる構内着と合計3つの服を着分けています。
右腕のところにはICチップが組み込まれていて、工場内に誰が何時何分に入場したか全て記録され、なんとクリーニングに出した回数まで管理されています。
こんな風に環境に合わせて服を着分けることで、より衛生的な環境でのアイス作りが行われています。
食品工場なので、安全や衛生に関してはとっても真面目。千本さくら『5S』工場の「5S」は、整理、整頓、清掃、清潔、しつけの5つの言葉の頭文字で、最後の「しつけ」というのはみんなで決めた約束を守ろうね、ということなんだそうです。楽しいけど、やるべきことはキチンとやるぜ、ってことです。
今日作っている商品です。
原料が入っているタンク。ガリガリ君の原料は水、砂糖、果汁、水飴など。
これらを混ぜてできあがるのは、こちら。
「アイスクリームミックス」といいます。
原料となる液体は、濃い色のと薄いもの2種類ありますが、両方ともガリガリ君ソーダの素です。色だけではなく味の濃さも違うこの2種類のアイスクリームミックスが、実はガリガリ君のおいしさの秘密なんです。
ガリガリ君を食べた経験のある人はご存じかと思いますが、ガリガリ君は外側のアイスキャンデーと中のかき氷の2層構造でできています。
アイスクリームミックスの薄い方は外側の「シェル」と呼ばれるアイスキャンディーの殻に使用し、濃い方は「コア」と呼ばれる内側のかき氷に使用します。濃さの異なる2種類のアイスクリームミックスを使い分けることで、ガリガリ君のあの味や食感が生まれます。
ちなみにこの青色は、「スピルリナ」「クチナシ」「紅花」という植物由来の着色料の色なんですって。
見た目にはインパクトあるブルーだけど、自然の色です。
そして、この2層構造のアイデアこそが、赤城しぐれのようなかき氷をカップタイプではなく片手で持って食べられるかき氷を生み出した秘密だったんです。
ガリガリ君誕生の前にも、スプーンで食べるかき氷を「遊びに夢中の子供が片手で食べられるかき氷」にするために、かき氷をただ型に流し込みスティック状にしたアイスを発売しましたが、残念ながら、袋の中で砕けてバラバラになったり、溶けてしまったアイスが棒から滑り落ちてしまったりとさまざまな課題がありました。
これらの課題を解決したのが、「薄いアイスキャンデーの膜(シェル)の中にかき氷(コア)を入れ」て作る製法。この2層構造になったかき氷のアイスが、ガリガリ君だったんですね。
次に、混合された原料はホモゲナイザーというマシンで「均質化」します。
この均質化は、原料を単に混ぜただけだと大きさがバラバラな乳の脂肪の粒を、細かく滑らかにし整列させるために必要。均質化を行うことよって味や凍り方などの品質が一定になるという大切な工程です。
そして、パイプを進みながら90度の熱を加えて加熱殺菌。
菌がいなくなったら、エイジング室という部屋で2段階で徐々に温度を下げ冷却します。
続いてかき氷を作る「削氷室」。
本物は135kgもあるとても大きな重い氷。お相撲さん一人くらい。
まだ味のついていない氷を削り、先ほどのアイスクリームミックスの色の濃い方と混ぜ合わせてガリガリ君のかき氷を作り、中に入れるコアが生まれます。
よし、準備は整った!
いよいよガリガリ君が形になっていく工程です。
では行きますよ〜
ガリガリ君がアイスになるのはざっくりいうと4ステップ。
(1)型にアイスクリームミックスを入れて外側(シェル)を作る
(2)先ほど削氷したかき氷(コア)を投入
(3)薄い方のアイスクリームミックスでフタをして棒を指す
(4)型から引き抜く
です。
ホースから冷却されたアイスクリームミックス(薄い方)をマシンに注入。ホースの中を流れる液体がうっすらとソーダっぽい色をしているのがわかるでしょうか。
左側の小さなタンクから、たくさんの四角い穴が並んだ型にアイスクリームミックスを注入。
そうして、右の装置でまだ固まっていない内側のアイスクリームミックスを吸い出します。
これでシェルが完成します。
これがガリガリ君の型です。マイナス35度以下の液体に型ごとつけて冷やし固めます。
穴の小さい方は主にスーパーで売ってるファミリータイプ(7本入り)、大きい方は一本タイプです。
このラインでは1秒間に11本のアイスクリームを作ることができます。
シェルの中にかき氷(コア)をいっぱいまで注入し、上からアイスクリームミックスでフタをし、
アイスの棒を刺す。
当たり棒が入るのはこのタイミングです。
当たり棒!
以前は2本当たりや3本当たりなど、夏の子どもたちをワクワク&一喜一憂させた当たり棒。現在は景表法などの規制により適正な割合の確率になっていますが、その数値はヒミツ!
冷やし固めます。「↓アイス↓」と書かれた機械の下に、顔をのぞかしているガリガリ君たちが見えるでしょうか。きれいに整列してるでしょ。
見えない??
うーん、目を凝らさないと見えないなー、と思っているところで、
楽しい映像と音が鳴り響く♪
型から抜かれたガリガリ君が流れていく様子を、プロジェクションマッピングで見ることができます
なんだか自分がガリガリ君になった気がして踊りだしたくなります。体験したい方はぜひ現地で!
しっかり固まったガリガリ君は、型に水をかけて引き抜かれ、袋詰めされます。
このラインでは、アイスが衛生的に袋詰めすることができますが写真はNG。なので...
ガイドの宮崎さんが身振り手振りで一生懸説明してくれました。
宮崎さん、ありがとう!
そして、ファミリータイプのアイスは箱詰めされます。
箱詰めの前にガリガリ君を、異物が入っていないかをチェックするX線検査機や金属検知器、重量検査機に通して合格したものだけが、冷凍倉庫で保存されます。
庫内はマイナス30度以下で、シャボン玉が凍ってしまうほどなのだとか。
出荷されるアイスの製造ラインの検査の他にも、アイスの味や大きさが規格通りになっているかの確認を行ったり、実際に人の舌で味わってチェックを行う官能検査を行います。
この工場は24時間稼働でアイスを作っているので、検査する人も24時間、交代で行っているのだそうです。
アイスを潰したり壊したり、安全を守る検査はとっても大変。
厳しい検査を通過して、ガリガリ君のできあガリッ!
見学のゴールは「ガリガリ君広場」と呼ばれるお部屋へ。
ガリガリ君の世界を楽しく体験できます!
フリーアイスの世界。
ここではアイスが食べ放題(20分間)です!
定番のソーダ味や人気の味をはじめ、レアな味のガリガリ君も並んでいます。
ひんぱんにフレーバーが変わるガリガリ君。あの味を食べ逃しちゃったわ、これじゃあ今年の夏が終わらないわ、という方はひょっとするとご希望の味に再会できるかもしれませんよ。
新商品もいち早く食べられるかも!
おじさん3人が真剣に悩みます。食べ放題だって言ってくれてるのに。
大人なガリガリ君ゴールドキウイ味に決めました。
「大人なガリガリ君みかんは、もはや、本物のみかんを超えた」
もちろん、お代わり。ソフトクリームの上だけのやつ、Sof’(ソフ)です。
最後はだまって食べます。
アイスのクレーンゲームもある!
アイス好きにはたまらん、夢の国がここにあった。
まだまだお楽しみはたくさん、おさらいクイズもある。
大人向けのクイズは結構、難問でした。
ガリガリ君大仏。アイスの棒に書けば、お願いが叶うかも。
しかし「アイスをたらふく好きなだけ食べたい」という夢は先ほどかないました。
アイスの神様に感謝の気持ちを込めてお祈りします。
おみくじもあります。
この工場限定のプリントシール機「ガリプリ」!
アイスを食べて、完全に子供時代に戻ってしまったヘルメットおじさんたち。
いい思い出になりました。
最後にお買い物。
工場限定グッズもたくさん。
あーもう、ぜったい買ってしまうな。
約90分間の工場見学はあっという間に終了。本当に名残惜しい思いでいっぱいです。
参加していたちびっ子たちも飽きることなく、ずーっと楽しそう。「まいにち、くるっ!」と言ってた子もいましたが、僕も同じ気持ちです。ずっといたい。
見て食べて遊んで楽しんで、五感フル稼働の見学。
ガリガリ君の楽しいイラストや、登場するごとにワクワクさせてくれる新しい味で、きっと楽しい工場なんだろうな、と思っていましたが、見学の楽しさは想像以上。ガリガリ君の魅力を伝えたいと、映像やお楽しみでさまざまな工夫をこらす工場の皆さん、本当に工場のことが好きなんだろうな、と思います。
赤城乳業のスローガンである「あそびましょ。」の思いがたっぷりつまった、ガリガリ君の工場見学。みなさんもぜひ一度体験してみてくださいね!!
赤城乳業の皆さん、本当にありがとうございました!
【詳細情報】
赤城乳業 本庄千本さくら『5S』工場
URL:https://www.akagi.com/
住所:埼玉県本庄市児玉町児玉850-10
見学内容についてのお問い合わせ:0120-60-6092(10:00~12:00、13:00~15:00 ※月~金のみ)
(text:西村、photo:市岡)
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