美しすぎるトイレで明日から緊張せずに使えるのかっ! TOTO

TOTO工場イメージ
毎日お世話になっておりますTOTOさんの衛陶工場を見学。
こちらは、トイレの便器などの衛生陶器を作っています。

お相撲さんの便器
入り口にはお相撲さんの便器。お尻がすっぽり入ってしまうほど大きくて丈夫。
お相撲さんのおっきな体で便器部分が壊れてしまわないように、丈夫なものでないといけません。

工場を見学
それでは工場へ潜入!

ラインイメージ

一生懸命教えてくれる清水さん
工場のラインの説明をしていただくのは衛陶技術部の清水滋さん。

陶器のトイレは縮みます
こんなに縮む、陶器のトイレ
3つの小便器モデルはサイズ違いではなくて、同じもの。
陶器で作られているので、右の成形直後、真ん中の乾燥後、一番左の焼成後の製品(窯で焼きます)と工程が進むとこんなに収縮します。土に含まれる水分をなくしていき、約13%収縮。さらに右の成形品は上面が少しカーブしているのですが、これは最終のカタチにあわせて、計算してわざわざこういったカーブに成形されているんですよ。

傾いているように見えますが、これもわざと
小便器も傾いているように見えますが、実はこれもわざと!
焼きあがった後にはまっすぐになるんです。
気をつけ!小便器

原料となる泥漿
これが原料となる泥漿(でいしょう)。石こうで水分が吸収され、数秒で固体になっていきます。
TOTOの衛陶製品もこの自然現象を利用して成形されます。

実は二つのパーツでできている!腰掛け便器
説明しれくれる清水さん
胴とリム
腰掛け便器は実は上部分の「リム」、下の「胴」という2つのパーツが組み合わさった構造になっています。便器は使う時にはシンプルに見えますが、実は中は結構複雑。水を流すところなどを工夫する必要があるので、このような構造にしています。

腰掛け便器
成形には二つの方法があります。
成形後の便器
一つは樹脂の型に押し込む方法。型を作るのは高価ですが、製品を大量に作る場合に向いています。
1日にたくさんのものが必要になる製品は、こちらの樹脂型の製法を採用しています。
もう一つは、石こうの型を使う方法。
石こう型の場合は、1日に2~3回流し込むことができます。型は安価に作ることができますが、少量しか生産することができません。

便器の成形品を触らせてもらう
柔らかい成形品
成形品を触らせてもらいます。
まだ水分を含んでいてやわらかく粘土状。
次に2日間の乾燥のステップに進みます。乾燥室で水分を飛ばしていきます。均等に乾いていくように、ゆっくりと時間をかけて乾燥させます。

キレイすぎるから厳しいチェックがたくさん!
各ステップごとに厳格な検査のステップが挟まれています。

乾燥後のチェック
乾燥すると割るのが簡単
陶器は乾燥すると、このように手で簡単に割ることができるくらいの固さ。

表面に凹凸がないかチェック!
目視のチェックも
目視のチェックもその2
乾燥させた後は、乾燥によりキレが発生していないかチェックする「生素地(なまきじ)点検」の工程へ。チェックはとても細かく厳しく。

検査液でのチェック
検査液でのチェックその2
ひびは見ただけでは気づきにくいので、検査液を塗って点検します。
かすかな傷があっただけでもひび割れや耐久性に影響するため、こちらもチェックはとても細かく厳しく。

釉薬の吹き付け
点検を行った製品は、次に「施釉(せゆう)」の工程へ。この「釉薬(ゆうやく)」を吹き付けるロボットには熟練の職人さんの動きがインプットされています。

表面の仕上げに使用する釉薬
表面の仕上げに使用する釉薬。焼き物にも使われているアレです。

釉薬の吹き付け具合チェック
ムラがないよう均等に吹き付けることがたいせつ。

目に見えるところだけではないセフィオンテクト
目に見えるところだけではなく、水が流れる通路にも吹き付けられています。これは汚物の流れをスムーズにし、少ない水でも確実に流せるようにするため。

最新トイレのポイントその1「お掃除かんたん」
最新型ネオレスト
お掃除かんたん「セフィオンテクト」
TOTOでは「セフィオンテクト」という表面仕上げを開発。このセフィオンテクトはTOTO独自開発の釉薬で、陶器表面を100万分の1mm単位でツルツルに仕上げます(超表面平滑)。さらに汚れをイオンの力で跳ね返すイオンパワーも手伝って、キレイが長持ちするのです。
TOTOの衛陶製品のほとんどに採用。いつも綺麗なトイレはこの表面加工のおかげです。お世話になっています。

セフィオンテクト
セフィオンテクトの汚れにくさ
セフィオンテクトの汚れにくさを確認。従来品とくらべ指でなぞるだけで簡単に汚れが消えます。

マーク貼り付け体験
窯で焼く前に一つひとつ手作業で刻印されるTOTOのロゴマーク。このロゴマークをつける体験ができます。
あのマークをつける
あのマークをつける2
上手にできてドヤ顔!
「上手ですね〜」とほめられたのでドヤ顔!

昔のマーク
昔のマークもかっこいいな。

焼成炉
焼成炉の先
次に製品はトンネル窯で焼き上げます(焼成)。約100メートルの窯で約24時間かけて焼きます。

検査前のトイレたち
焼き上がった製品は更なる検査の工程へ。検査前のトイレたちはやや緊張のようす。まだちょっと固いですよ、リラックス!

認定検査員がチェック3
目の高さまでマシンで持ち上げでチェック。
認定検査員がチェック1
認定検査員がチェック2
寸法、曲がりや外観をチェック。ゲージで寸法を測り、打音検査を行います。検査項目は40〜50項目もあり、認定検査員がチェックします。(検査員になるには試験に通る必要があります。大変!)

マシンで漏水チェック
機械の漏水チェック
次に機械で漏水のチェック。一定の圧力をかけて変化がないかを確認します。さらに「漏気検査」があります。

陶器の再利用
陶器の再利用で女子トイレのパネル
焼く前の成形品段階では、水分を加えもう一度再利用できますが、それ以降、不良になった製品はトイレとしては使うことができませんが、陶器屑として路面材などにも生まれ変わります。

最新トイレのポイントその2「節水」
フチなしトルネード洗浄
40年ほど前の1976年には、一度のトイレの利用で流す水の量は平均13リットルだったのが、今は3.8リットル!(最新の製品ネオレストの場合)
1/3以上の水で済むようになりました。

きれいのハイブリッドエコシステム「フチなしトルネード洗浄」!
水量を抑える秘密

トルネード洗浄のムービーです!!

流れる水が渦を巻くようなトルネード水流!
まず最初に便器奥の吐水口より水流を勢いよく噴出!便器の内面をまんべんなく、トルネード水流でしっかりと洗います。

節水イメージ
次にタンクから水が流れ込み、しっかり汚物を流します。

フチなし構造
このトルネード洗浄に加えて、さらに便器のフチをなくした「フチなし形状」で、さらに汚れがつきにくくなります。お手入れしづらかった「便器のフチ裏」問題を解決するとともに、効率的な水流を実現し、少ない水でしっかり洗浄します。

見えないうちに汚れをとってしまえ!「きれい除菌水」
これまで見せてもらったテクノロジーは目に見える汚れの対策。TOTO独自の「きれい除菌水」は目に見えない汚れを分解・除菌することで汚れをもとからきれいにしてくれます。

「きれい除菌水」とは、水道水に含まれている塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水のこと。
この水を流すことで便器の見えない汚れを自動で分解・除菌。トイレが自分できれいを守るというテクノロジー。
薬品や洗剤を使わず、時間がたつと水に戻るので、環境にやさしいのが特長です。
きれい除菌水の仕組み

ショールーム
ショールームの中
工場近くのショールームでは最新の製品を見ることもできますよ。

清水さんと坂さん
ご案内してくださった、工場の清水さんと広報の坂村さん。
こんなにトイレについてくわしく見ることができたなんて感激です。
いろんなテクノロジーや、あくなき「きれい」の追求、厳しいチェックなど「毎日お世話になるものだからこそ大切だ」といった作る人たちの思いが伝わって来る見学でした。
あまりにもきれいすぎて、明日から緊張せずに使えるか心配ですが、これからも長いおつきあいをどうかお願いしたいと思います。

【詳細情報】

TOTO株式会社 小倉第一工場/TOTOサニテクノ 小倉工場

住所:福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
電話:093-951-2053(受付時間:平日9:00~17:00)
小倉第一工場 事務管理グループ
見学可能日時:月曜日~木曜日 9:00~12:00、13:00~16:00
※15:00までに来場してください。
申し込み方法の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.toto.co.jp/company/factory/#anker01

(text:西村 photo:市岡)

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