どんなデザインでも飴にしちゃうよ! まいあめ工房
切っても切っても同じ顔がでてくる金太郎飴、正式名称は「組み飴」といいます。この道50年のベテラン職人さんがいる名古屋の「まいあめ工房」さんへ行ってきました!今回は、『TAMくん』というキャラクターの飴を作ります。
『TAMくん』!?…。そう『TAMくん』とは、しゃかいか!を運営しているWeb製作会社TAMのキャラクターなんです。
実は、『TAMくん』は、あのTwitterの鳥やGitHubのOctocatをデザインされたSimon Oxleyさんに描いていただいたキャラクターなんです!
早速、工房に着いて目に入ってきたのが、『TAMくん』飴の工程表。なんとA〜Hと8つのパーツに分かれています!しかも、頭のとんがり部分を作るのが一番難しいのだそう。
まずは仕込み。材料は湯と砂糖、水飴で150℃まで煮詰めます。この時点で水分量はたった2%。ドロドロです。
鍋からドロドロの透明な液体を水盤(ステンレス板の下に水を循環させて、冷却機能を兼ね備えた作業台)に流し込んでいるのは、工房に弟子入りして5年目の岡部さん、もう手際は慣れたもの。
ドロドロの飴に混ぜている顆粒状の粉は酸っぱさの素、酸味料です。甘いだけではなく酸っぱさも!
そして、フレーバーコンクというレモン味の素を投入すると、工房は一気にレモンの香りに!
さて、ここからは大将の浅野さんが担当!帽子の2本線、青色の分量を職人の感を頼りに作成中。一塊のドロドロを白色、黄色、青色、赤色、肌色の分量に計る事無しに色分けをしなければいけません。
『TAMくん』の帽子の青線部分の分量はこのくらいに。この位でどれだけの飴になるのやら。
あれ、白色はどうやって作るの?
ここが凄い!まいあめ工房さんでは、白色の着色料なんぞ、使用していないのですよ。
飴に空気を入れる装置を軽やかに操っているのは、この道50年になる幅さんです。
だんだんと白くなってる!「引き」という技法で、飴を引っ張り伸ばして空気を含ませます。空気の含有量によって飴の色は白色へと変化し、キラキラとした光沢が出てきました。
組み飴の絵柄に必要な部分に色付けられ切り分けられた飴たち。細長いパーツができあがってきました。周りの白い粉はコーンスターチです。
細長いパーツを奥にいるパートさんに渡していきます。転がし続けないと固まってしまうので、コロコロさせて固さを調整しています。
赤色、あれは目になる部分でしょうか。肌色を重ねて、重ねての作業が続きます。
赤色の目に周りに白色を重ねて、肌色と交わらない様に境目を作っているところです。
手前には、既に黄色と青色を重ねた『TAMくん』帽子が完成しています。ここから、本当に『TAMくん』の顔ができるのでしょうか?
あっ!『TAMくん』の目らしきものが、コロコロと転がされています。
赤色の部分は口でしょうか!?ひー!このままでは、口裂け状態の『TAMくん』です。
肌色のパーツがさらに重ねられて、口が無事に完成!
コロン。『TAMくん』の顔の部分だけがゴロンと転がっています。
遂に、帽子部分とのドッキング!着々と顔になりつつあります。
難しいといわれた、帽子のちょんまげ部分も遂にのっかりました!どすん
ちょんまげ部分を白色の飴で固定。これで、ちょんまげも落ち着きました。
周りを白色の飴でぐるぐると巻かれた『TAMくん』。ここまでくると『TAMくん』がはっきりとわかりますね。
はい、ごろーん。
またまた、ごろーん。その間に浅野さんが周りを囲むレモン味の部分を準備しています。
どっこいしょ。ここまでの太さになると重さは25キロにも!そして、『TAMくん』がレモンのベールでぐるぐると巻かれていきます。
またまた、ゴロゴロと転がされ続けて丸太い棒状の『TAMくん』が完成。なんとなくピエロのようにみえますね。
にやりと笑う『TAMくん』。この後、『TAMくん』が笑っている場合じゃなくなる首絞め事件がおこります。
太い棒状になった『TAMくん』を引き延ばすためクルクルと回り続ける機械。
『TAMくん』の顔が押さえつけられています。その奥では、飴の中の気泡を抜くため、鋭利な針で刺すという痛ましい光景です。
それでも、笑い続ける『TAMくん』!頑張れ『TAMくん』!
大将がついに首を…‥。『TAMくん』には無かったはずの首が絞められていますが、『TAMくん』は大丈夫でしょうか。
もう、首のような部位がぐでんぐでんです。伸びきった『TAMくん』の顔がもう怖いピエロにしか見えません。
そして、最後には…‥。
ぽきり。『TAMくん』の頭がまるで体と分裂したかのようです。もう、『TAMくん』の顔がブサイクにならないことばかりを心痛しています。
ちょっと寂しげでうつろな表情を浮かべる『TAMくん』の切り口。
もう一方の切り口は、どどーん!まるで魔除けのような顔に…‥。
切り落とされた切り口が、何本もの棒状に伸ばされています。さずが飴を伸ばし続けて50年になる幅さん、職人技がキラリと光っています。まぶしいです。
いつの間にか長身になっていた『TAMくん』。ご満悦の表情です。
『TAMくん』の体の部位はどんどんカットされ、短くなっています。
『TAMくん』だ!飴には表と裏があります。裏だと帽子の先っぽが反対向きなのです。
細い棒状にされた『TAMくん』は一個一個にカットされる機械に入れられて、均等なサイズになって出てきました。
ドロドロの液体からここまでの工程に費やした時間はたったの40分。そりゃあまだあったかいわけです。
一個一個の顔が微妙に違うのも味があって良いところです。本当のにっこりスマイルのお目見えです!
次の工程は包装です。4300人の『TAMくん』が順繰りに機械に投入されていきます。
目が回りそうなスピードで回転しています。あっというまに『TAMくん』が透明な袋に包まれていきます。
『TAMくん』が自分の顔の飴に埋もれて自慢げ!
完成しました『TAMくん』たちは、これまで、そしてこれからの未来にTAMと関わってくださる方々のお口の中で初恋の味としてとろけていく予定です。
『TAMくん』に負けないステキな笑顔を披露して下さっているのは、まいあめ工房の代表中村さんです。この度は、取材のご協力ありがとうございました!
【詳細情報】
株式会社ナカムラ まいあめ工房
住所:愛知県名古屋市西区南堀越2丁目2-4
電話番号:052-532-1210
お問い合わせ時間:9:00〜17:00(*祝祭日を除く月〜金)
URL: http://myame.jp/
Facebookページ:https://www.facebook.com/myame.jp?fref=ts
(text、photo:坂田)
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