合掌造りで有名な世界遺産白川郷を見学!

白川郷へ来ましたしゃかいか!世界遺産シリーズ第二弾。第一弾の軍艦島に続いて本日は岐阜県の白川村に来ました。
こちらの白川郷は、みなさんご存じの通り、合掌造りの集落で有名!1995年(平成6年)に白川郷・五箇山の合掌造り集落として、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

頑張るぞっ!今日は夏休みの中の取材、こども編集員とともにお届けします。
がんばるぞっ!

集落丸ごと合掌造り合掌造りの屋根はおおよそ45度から60度まであり、傾きもいろいろ。
この傾きは、豪雪地帯の雪下ろしの作業をしやすくしたり、雨が多い地帯でもあるので水はけのしやすさを考えてのもの、なのだそうです。
名前は掌を合わせたように三角形に組む丸太組みを「合掌」と呼ぶことから来たと推測されています。

合掌合掌します。

合掌2あ、ここも合掌!

合掌看板全部合掌に見えてくる。

白川村のイメージなぜこの白川村と近くの五箇山の地域にだけ合掌づくりが残ったのか?は、はっきりしていませんが、山深く豪雪地帯でもあり、交通整備が遅れたため、周辺地帯と隔絶されたエリアだったので、奇跡的に合掌造りの住居構造が残ったという理由が考えられています。

和田家へ和田家外観側面白川村の中でも一番大きくて古い「和田家」のお家を見学!
こちらのお家は、築300年以上で、1996年(平成7年)に国の重要文化財に指定。江戸時代は名主・庄屋(今でいう村長さん)のお家で、名字帯刀を許され、番所の役人の役割も担っていました。

展示俯瞰おわん中には、古い時代の調度品やお椀が展示されています。

囲炉裏囲炉裏!
囲炉裏です。1階は生活空間で、2階から上は、仕事のスペースにあてられていました。2階から上の床には窓のような隙間があり、冬には1階の居住スペースにある囲炉裏から立ち上る暖気で暖かさがが保たれるようにもなっています。

仏壇りっぱなお仏壇にも合掌。

階段が急2階へ、でも階段が急だ!

階段が急3グングン、上がっていきます。

階段が急2やっと、2階だゾ!

2階家内工業32階では、この地域の代表的な産業である養蚕業に関する展示がたくさん。

養蚕業1仕事と生活を一つの建物で、合理的な合掌づくり
家内工業が発達したのは農地が少なく、また農業できる期間も限られていたから。
地域によっては住居と家内工業で、別の建物を作って行うこともありましたが、山間にあったこちらの地域では少しでも農地を確保するため、同じ建物になったと考えられています。とても理にかなっています。

2階の道具厳しい冬を思わせるものも見ることができます。

2階の天井が高い天井も高いゾ!

最上階へいよいよ最上階へ

屋根裏せますぎて居住には適さず、あくまでも養蚕などの産業用スペース。
黒光りする柱、何百年もの営みを感じます。屋根組みには釘を1本も使わず、丈夫な縄で固定されています。この縄が雪の重さや風の強さに対するしなやかさを生み出し、建物の耐久性を増すつくりになっています。このとんがった屋根裏の構造は「切妻屋根」と呼ばれていて、建物を高層にして、やはり屋根裏の容積を少しでも大きく使いたいから。

話だけは実業家としての顔も持ち、養蚕業の他にも、煙硝(火薬の原料)を作っていました。煙硝の材料は土・草、蚕のフン、人間のおしっこなど。それらをとりまとめて売買もしていました。この地域の名士だったんですね。

おっとっとおっとっと、降りるときもちょっとコワイ。

2階の窓合掌づくりのもう一つの特徴は、両妻(家の側面)に明かりを取るために設けられた窓。

今日は暑い日この日は35度を越す暑ぢい〜日だったのですが(和田家の中でアイスを食べてはいけません)

1階の居間でも、合掌づくりのお家は風が通り抜けて、とてもひんやり涼しい〜。体感ではマイナス5度くらい涼しい!冷房いらずです。

南北に向かっている実はすべて家の向きが、統一されています。
白川郷の合掌づくりのお家はいずれも妻を南北に向けています。
屋根にまんべんなく日が当たるようにして冬場に雪を溶けやすくすること、茅葺き屋根が乾燥しやすくなること。そして、集落は南北に細長い谷にあり、それぞれの方向から強い風が吹くので、風を受ける面積を少なくするため、 という3つの効果があると言われています。村全体合理的。

葺き替えのお家帰り道に、運良く萱葺屋根の葺き替え作業に出会えました。このお家は現在でも旅館として人が住んでいます。

葺き替えのお家2工期は2ヶ月以上(雨の日は仕事ができないので、ずっと作業しているわけではありません)

吹き替えのお家3そして、なんと今日は完成の日。ツイてる!
昔は、50年くらいごとに葺き替えていたのだそうですが、現在は30〜40年に一度。今回のお家は37年目だそうです。

葺き替え作業を見るこの葺き替え作業、昔は多くの人手と時間が必要な大がかりなもので、住民総出の一大イベント。この地域に住む人たちは近隣で「組(くみ)」と呼ばれる互助組織をつくり、その単位を土台として「結(ゆい)」という作業する単位がありました。屋根の葺き替え作業でたいせつな「結」は、鎌倉時代にこの地に広まった浄土真宗の信仰が起源だと言われてます。

しかし、今は合掌造りではないお家も増えてきていて、葺き替え作業をお互いに手伝いあう「結い」の組織の維持も難しくなってきていて、業者やボランティアに頼らざるをえない状況。建物としての合掌造りはコミュニティの象徴でもあったことがわかります。

観光地の白川郷は賑やか世界文化遺産への登録から20年。観光面では賑やかになった裏側では、それを維持していくことが大変だ、ということを勉強できた今回の見学でした。

【詳細情報】

国指定重要文化財 合掌造り和田家

電話番号:05769-6-1311
住所:岐阜県大野郡白川村鳩谷517
営業時間:午前9:00~午後5:00
白川村役場
電話番号:05769-6-1311
住所:岐阜県大野郡白川村鳩谷517
URL:http://shirakawa-go.org/

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