星のまち交野市☆みんなで盛り上げよう!はじめての工場めぐり 交野市工業会
じつは、古くからものづくりの町「交野」
今日の見学は大阪府交野市です。
交野市は、星田という地区名や天野川といった星にまつわる地名があり、さらに機物神社、星田妙見宮という七夕伝説や七夕にまつわる名所などが残されています。
ものづくりでは古くは瓦や河内綿の生産地として、また現在でも日本屈指の技術を持つ企業がたくさん集まっています。交野市工業会主催で、いろんな企業巡って交野の新しい魅力を発見するのが目的のこの「交野めぐり」が今年からスタート。初めての工場びらきに町全体がドキドキ。盛り上がっています。
マイクロバスに乗って様々な企業を回ることができます。
コースは企業の担当者向けの「企業コース」、学生さん向けの「就活コース」、そして一般の人向けにも、モノづくりを間近に見てもらえるように「一般コース」と3つのコースが用意されていて、この日は夏休みということもあり、親子づれもご近所のおじいさんおばあさんなど、老若男女とわずたくさんの方が来ていましたよ。猛暑の中、バスはとてもありがたいです。
まず訪れたのは産業廃棄物処理・リサイクル業の会社、田中企画さん。
産業廃棄物の処理をしている中間処理施設(焼却や破砕)で、マル優マークは府からの許可のあかし。
オフィスから出たものはもちろん、病院で使われた検査機器や工事中に壊れてしまった工具など、ありとあらゆるものが集まってきます。
産業廃棄物の処理施設は、処理能力によって持てる在庫が決まっていて田中企画の場合は、14日間分以上の在庫を持つことができません。
廃棄しにくいモノも!
ときには廃棄できない絵画や仏像が来ることもあります。建築現場で事故が起こらないようにお祈りした神棚も。仏像はお寺で魂を抜いてから処理するのだそうです。いろいろ大変。
金属を担当する破砕機は、磁石とエアーでアルミと鉄などのように分別する機能がついています。
実は85%の再利用が可能
処理施設の役割は、廃棄物をきちんと処理することに加えて、使える素材をリサイクルに回すことも大切。日本ではボイラー技術のおかげで産業廃棄物の処理能力が優れていて、実は85%の再利用が可能と言われています。
木屑おがくずなどば燃料に、プラスチックは助燃剤にするなど。
ボイラー燃料になった紙と木・プラスチック。不要な素材を取り除き固めて作られます。
外では、リフォームで出た廃棄物が材料ごとに分けて並べられてあります。
水回りの道具はリサイクル可能な素材とそうでないもの両方が使われていることが多いので、破砕する前に分解する必要があります。素材によって環境や近隣への影響から燃やすことのできないものもあり、例えば塩ビ材は日本では絶対にNG!たまに海外の業者さんが買い付けにくることもあります。
リサイクルのために「為替は毎日見ている」と田中さん。
スクラップの相場は、ロンドンと連動しているから毎日の為替は要チェックです。
親子向けのワークショップも開催。
廃材を利用してロボットや人形、アクセサリーを作ってみます。
不要物とはいっても、人が価値を見つけることができれば素敵な廃材アートに生まれ変わります。
一生懸命アレコレやってるお子さんたちにとっては、もはや不要物とは思っていないほど、楽しそう。
鉄は錆びる!
つづいて「鉄は錆びる、そんな時は」のローバルさんを見学。
こちらは亜鉛メッキという素材含んだ塗料「ROVAL」という防錆材を開発・製造するメーカー。
なんとか世界中の錆びを止めたい、とそんな思いが伝わってきます。
早速工場の中を見せてもらいます。
防錆剤「ROVAL」の作り方は、錆止め効果のある亜鉛を他の溶剤とミキサーで混ぜて攪拌し充填その後冷却します。とてもはしょって書きました。塗りやすく粘度を下げるために、溶剤の中にはシンナーが含まれているので、事故を起こさないように様々な対策がとられています。
例えばご近所の住宅にニオイで迷惑をかけないように活性炭で浄化する排気装置や、漏れるとすぐ知らせてくれる警報装置、仮に構内で漏れても工場の外には絶対に出ないようにとり囲むなどなど。「もしも」に備えて入念な事故対策。
フタも錆びないように!
ガソリンスタンドのように地下のタンクに溶剤が埋まっています。フタにはもちろんローバルが塗布されています。「鉄は錆びる、そんな時は」を実践。
「ROVAL」は今年で錆止め一筋60年、人でいうと還暦ですが、会社の中には若いエネルギーが満ち溢れています。今回ガイドしてくれた○○さんと○○さん。お二人の社歴はこの時なんと3ヶ月!そんな新入りにガイドさせてしまうなんて、という心配をよそに、お二人とも熱のこもったトークで見学者のハートをしっかりキャッチ。とても親切なガイドを有難うございました!
また、企業向けの製品作りだけではなく、アマチュア無線のアンテナの鉄塔をいかに錆びなくするか?にチャレンジした様子などをレポートする「さびねぇやつら」という日本一尖ったニュースレターなど、いろいろ面白いことに積極的にチャレンジ。ここで働く人たち、これからもまったく錆びなさそうです。
他にもCD・DVDのレンズを作っているジュラロンさんや鉄を圧延する新関西製鐵さんはじめ、たくさんの工場を見学することができました。
こういった地域の工場びらきはたくさんありますが、交野めぐりはまだはじまったばかりで、手づくりだったけど、運営する人たちと参加する人たちが近くにいて、みんな目がキラキラ。一緒に盛り上げていこう、という心意気を強く感じることができました。
待合室ではおじいさんに星にまつわる町のことをたくさん教わることもできました。
また次回はパワーアップしていることと思います。来年が楽しみ。
【詳細情報】
交野市工業会
電話番号: 072-892-6700
住所:大阪府交野市私部1-1-2 北大阪商工会議所 交野支所内
URL:http://www.katano-kougyoukai.com/
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