四万十で学ぶ、田舎ビジネスの最前線! いなかパイプ
いなかパイプさんのツアーに参加してきました。
このツアーは、「いなかビジネス開発モニターツアー」といって、高知・四万十の山の中、四万十川のほとりにある“いなかオフィス”をシェアしながら、そこのヒトやモノを活用しながら、新しいプロジェクトを画策する、といった趣旨のものです。
ツアーの引率の先生は、佐々倉玲於(ささくられお)さんと、吉尾洋一(よしおよういち)さん。
佐々倉さんは、四万十の近くの幡多郡大月町生まれの36歳。愛媛の高校を卒業後、大学は沖縄で過ごしました。沖縄の農村を巡り、地域づくりに目覚め、NPO業界へ。当初はお手伝いでしたが、自分でもNPOを立ち上げ、気づけばそれがお仕事に。那覇の都会の真ん中に暮らしながら、商店街の方々、NPOの方々と一緒に、地域課題解決に向けて様々なプロジェクトを実施し、12年の沖縄生活ののちにこの四万十のほとりで3年。一般社団法人いなかパイプの中心メンバーです。
吉尾さん(名字ですよ)も同じく、近くの幡多郡生まれ。地元高知で18歳まで過ごし、建築家を志し、東京、ロンドンで建築を学びました。学んでいく中で自分のやりたいことの本質が「つなげること」だということに気づき、Uターンで高知へ。高知をほっつき回っているとこの場所の環境、人が面白すぎることを知り、その勢いで建築に縛られて繋げなくてもいいではないかと考え始めました。以来こちらで「繋ぎびと」として繋ぐことをテーマに生きていく実験中。
ツアースタート!
高知空港を降り立ち、マイクロバスで向かう先は…
久礼大正町市場!
こちらは中土佐町久礼の中心部にある商店街で、
カツオで満足させといて、そんな手になんか…のりますYO!
カツオのたたき&お刺し身!
を作っている田中鮮魚店さんの藁焼きのカツオのたたきの現場を見学。
久礼のカツオの一本釣りの漁師さんと加工・販売サイドであるお店のかかわり方や、地元の名産を製品化する企業組合「ど久礼もん」のお話などを聞いてきました。
もちろん、オンシーズンで当日水揚げされたばかりのカツオをいただきまして最高でした!
最初から満足度上げる作戦やな、ナカナカ手強いな。ここで満足度マックスです。
いなかビジネスの成功パターンを勉強する
次にお伺いしたのは、「道の駅四万十とおわ」の企画・マネジメントをしている四万十ドラマ社長の畦地履正(あぜちりしょう)さんのお話。
四万十のいなかビジネス立ち上げの物語はまさにドラマ!またこの場所から生まれた数々の商品のことなどを語っていただきました。「本気でないヤツは来なくていい」という一言が大変印象に残っています。
川のほとりにあるおしゃれなカフェ
道の駅四万十とおわの中にあるおちゃくりカフェ。
で、スイーツをいただくこともできます。
キレイなシェアオフィスを見学
いなかパイプさんの「シェアオフィス161(ヒロイ)」を見学
旧四万十町立広井小学校をそのまま使っていて、とってもキレイなオフィス。
こんなに綺麗なのにほとんど手を加えていなくて、理科室や音楽室などもそのまま使われています。ずっといてたい住みたい。
「いなかパイプは小学校を2つ持ってるんで!」
今回のツアーでお世話になる宿舎に移動。
名前は「ドミトリー546(コシロ)」でこちらも旧十和村立古城小学校を利用。
こちらにはいなか暮らしに応募したメンバーも暮らしています。
学校の長い廊下を見て走り出したくなったりしました。
生活に必要な冷蔵庫やお風呂はもちろん、WiFiも完備。ずっといたい。
豪華四万十ディナー
素敵な地元料理のディナーもいただきました
ツアー参加のみんなも、ドミトリーのみんなも混じってかんぱーい
このディナーを作ってくださった、いなかパイプメンバーと奥さんがたです。
お二人は「おかみさん市」のメンバーでもあって、「道の駅四万十とおわ」のオープンにあわせて「私達もなにかやらんといけないね。やってみようや」とのひと声からおかみさん市はじまりました。
レストランの定休日を活用して「おかみさん市おもてなしバイキング」をしたり、近隣に住んでいる人を体験メニューや地元の食材でおもてなしする「おもてなしツアー」や、田舎の料理や野菜をスーパーで自ら販売する「お出かけ台所」の取り組みなどを実行中。
四万十の地元のご飯たちはとっても美味しかったです。
キレイな空気に気持ち良く目覚めまして、第2日目は!
お茶摘み体験
四万十って実はお茶どころって知っていましたか?
寒暖差が大きく霧の発生しやすいお茶づくりに最適な条件の揃っているここは、お茶工場の見学や地元の生産者さんのところにお伺いして釜炒り茶づくり体験。
朝はたらいた後の一杯、うまかったなぁ〜。
四万十川の駅「カヌー館」でみんな少年に戻ってカヌーを満喫!
すいません、目一杯楽しみました。
地デザインの開拓者、迫田さんのオフィスへ
四万十川支流の支流、小さな谷「一ノ又(イチノマタ)」地区にくらすデザイナーの迫田さんのオフィスを突撃訪問。
お伺いした時にはお風呂に入っていた迫田さん、ここで暮らすことになったお話をお聞きしました。
一ノ又に住み始めて20年の迫田さん。自称「百姓デザイナー」の迫田さんは 大学を卒業後、印刷株式会社に就職し企画デザインに関わりディレクターを務めましたが、入社2年目にたまたま訪れた四万十川で、カヌーの面白さに魅了され、2年で30回も通い詰めるほど!
「これを仕事にできたらどんな素晴らしいか」と仕事を辞め、一文無しで四万十に引っ越してきました。
迫田さんはいなかパイプと一緒にパンフレットやカタログをデザイン。そして商品パッケージなどの開発にとどまらず、自分の田んぼや畑を耕しながら田舎でのコミュニケーションやくらし方そのものを伝えていく活動も行っています。
帰りたくない最終日は、
現代農家のお手本のような人!桐島正一さんの畑の見学からスタート。
プロ農家を作ることを目的に、さまざまな試みにチャレンジしている桐島さん。
畑とオリジナル加工品作りも見学させていただきました。
四万十のお米「山間米」で作ったランチをいただき、
今回のツアーはビジネスの開発ということが目的でしたが、いろんな方のお話を聞いたり、自身で体験し、見たり食べたりすることで、体の中にしみこんでいくようなツアーでした。
ビックリしたのは、お話することのできたみなさんの本気度!
生産者、工場の現場の人たちと、お手伝いしたりデザインする人たちがそれぞれの分野で力を出し合い、新しい6次産業のビジネスを一丸となって進める、アツすぎる情熱を体験することができました。四万十川沿いの田舎にはパワーが集まってます。
ササクラさん、吉尾さんのお話だと、今回はまだまだほんの一部で、他にも面白い人や場所がたくさんいるとのこと。
またおじゃましたいと思います!
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