【東京】青の魅力を味わいつくす。「染付 ─世界に花咲く青のうつわ」が3月24日まで開催!
「染付草花文樽形瓶 一対」日本 肥前窯 江戸時代前期 出光美術館
出光美術館にて、鮮やかな青の魅力に迫る企画展「染付─世界に花咲く青のうつわ」が開催中。3月24日までが会期となっています。
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白い肌の上に、あるときは鮮麗な青、あるときは優しく煙る淡い青で、花や鳥、風景から幾何学的なパターンまで、さまざまな文様を描くやきもの、「染付(そめつけ)」。染付は、14世紀に元時代の中国で完成した「青花(せいか)」、すなわち白磁にコバルト絵具で絵付をする装飾技術が、17世紀初頭の日本に伝わり、浸透していったものです。そして今なお染付は、美術品としてだけではなく、日常的な暮らしのうつわとしても日本中で親しまれています。驚くべき、息の長い魅力といえるでしょう。
染付の広がりは、時間軸に沿うだけではありません。中国・朝鮮・日本といった東アジア、ベトナムなどの東南アジア、トルコ・イランなどイスラム文化圏の西アジア、さらには欧州にまで、青のうつわへの憧れと声望、その生産は、地理的にも空前の伝播力で広まってゆきました。
近年、中国における青花の完成に、西アジアの文化と人々が大きな役割を果たしたことが指摘されています。その背後には、紀元前後からシリアや東地中海地域で作られた青色ガラス器や、イスラム教寺院を飾る壮麗な青色タイルなど、この地域で育まれた「青」の伝統が垣間見えます。
「黄釉藍彩吉祥文扁壺」フランス セーブル窯 18世紀 出光美術館
この展覧会では、染付・藍彩(らんさい)など複数の技法におよぶ青いやきものを視野に入れ、深甚な影響力をもつ「染付」を、ひとつの世界言語としてとらえてみます。現代の国際社会では、思想や宗教の対立が広がる諸地域において、かつて人々は、共に青のうつわを求め、快晴の空や海を想わせる青のかがやきに、ひとしく心を酔わせていたのです。やきものという世界規模の文化が語りかけてくる言葉、多様性を示しながら、人々をひとつに結びつけた、懐深い美の物語をじっくりと味わいましょう。
イベント名称 | 「染付 ─世界に花咲く青のうつわ」 |
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開催期間 | 2019年1月12日(土)〜2019年3月24日(日) 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 毎週金曜日は午前10時~午後7時(入館は午後6時30分まで) |
会場 | 出光美術館 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階 |
主催 | 出光美術館、朝日新聞社 |
休館日 | 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館) |
入館料 | 一般1,000円/高・大生700円(団体20名以上 各200円引) 中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です) ※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です |
WEBサイト | http://idemitsu-museum.or.jp/ |
お問い合わせ | 03-5777-8600 |
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