【兵庫】かわいい?おしゃれ?現代の感覚に通じる古伊万里の魅力に迫る。「恋する古伊万里―かたちとデザインの魅力―」が開催されています!
17世紀初頭、日本で初めて肥前有田(現佐賀県西松浦郡有田町)で生み出された「磁器」。
有田を中心とする肥前(佐賀県、長崎県)で作られた磁器は、主として伊万里港(佐賀県)から各地に向けて積み出されたことから、消費地では「伊万里焼」と呼ばれました。
生産を始めた初期には、中国陶磁に倣った意匠が多く見られますが、次第に余白を生かした構図や、富士や流水紅葉などの風景や和歌に因んだ和様の意匠も見られるようになります。17世紀中頃には、オランダ東インド会社によって海外輸出が開始され、瀟洒な柿右衛門様式や華やかな金襴手様式の伊万里焼はヨーロッパの王侯貴族にも愛用されました。
国内でも17世紀末頃から、経済成長によって富を得た豪商たちの求めに応じて、豪華な磁器が焼かれます。東インド会社の公式輸出が終了した18世紀中頃には、国内の販路を拡大し、伊万里焼は文化の担い手となった町人たちの暮らしの中に広がっていきます。町人文化が全盛を迎えた19世紀、江戸の屋台や旅籠屋などでは、料理とともに供される趣向を凝らした多種多様なうつわが人々の生活を彩りました。
こうした時代とともに移りゆく伊万里焼の様々なかたちとデザインは、現在でも私たちを魅了し続けています。
《色絵石畳牡丹花唐草文変形皿》 1690~1730年代 柴田夫妻コレクション 佐賀県立九州陶磁文化館所蔵
《色絵菊花唐花花菱雲文菊花形鉢》1690~1710年代 柴田夫妻コレクション 佐賀県立九州陶磁文化館所蔵
今回の企画展では、柴田明彦・祐子夫妻によって蒐集され、佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈された1万点余りの“柴田夫妻コレクション”と同館所蔵の優品を用い、江戸時代に生み出された伊万里焼(いわゆる古伊万里)が、そのかたちやデザインとともに紹介されます。
斬新な構図、闊達な筆使い、新奇な絵柄など、多彩な意匠を通して「かわいい」や「おしゃれ」、「粋」といった現代の感覚に通じる古伊万里の魅力をぜひお楽しみください!
イベント名称 | 恋する古伊万里―かたちとデザインの魅力― |
---|---|
開催期間 | 2019年6月15日(土)〜2019年9月29日(日) 10時~18時 (8月の土曜日と日曜日は9時30分~19時) ※入館は閉館の30分前まで |
会場 | 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室2・4・5 〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4 |
休館日 | 月曜日 ※ただし、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館し、9月17日(火)、9月24日(火)は休館 |
観覧料 | 一般 ¥600(団体 ¥500、夜間[17時〜] ¥300)
大学生 ¥500 (団体 ¥400、夜間[17時〜] ¥250)
|
主催 | 兵庫陶芸美術館、朝日新聞社 |
後援 | 兵庫県、兵庫県教育委員会、丹波篠山市、丹波篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、公益財団法人 兵庫県芸術文化協会、公益財団法人 兵庫県国際交流協会 |
協力 | 佐賀県立九州陶磁文化館、丹波立杭陶磁器協同組合 |
WEBサイト | http://www.mcart.jp/exhibition/e3101/ |
お問い合わせ | TEL:079-597-3961 / FAX:079-597-3967 |
関連するキーワード