【石川】工芸文化の発信拠点「国立工芸館」が今秋開館!名誉館長には中田英寿氏が就任決定。
国立工芸館 外観 (写真 太田拓実)
日本の工芸文化の発信拠点が金沢に移転
国立工芸館(正式名称:東京国立近代美術館工芸館)は、1977 年に東京・北の丸公園に開館し、2020 年に石川県金沢市に移転する日本で唯一の工芸を専門とする国立美術館です。
陶磁、ガラス、漆工、木工・竹工、染織、金工、人形、デザインなど、全国各地・近現代のあらゆる工芸分野の秀作を網羅したコレクション約 3900 点のうち、約 1900 点が金沢に移転される予定です。
国立工芸館 エントランス風景 (写真 太田拓実)
中田英寿氏が名誉館長に就任
また、新たに設ける名誉館長には、国内外に高い知名度と情報発信力を持ち、これまで多くの工芸作家の工房等を訪問し交流を深めるなど、日本の伝統文化や工芸の支援に精力的に取り組んできた中田英寿氏が 10 月 24 日付で就任することが決定。館の事業運営への助言や各種ネットワークづくり、また多方面への情報発信の強化を主に担います。
ロケーションについて ― 歴史的建造物の集まる文化ゾーン
国立工芸館が建つ「兼六園周辺文化の森」は、日本三大名園のひとつである兼六園を中心に、石川県立美術館、いしかわ赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館、加賀本多博物館)、金沢城公園、金沢21世紀美術館、鈴木大拙館など、藩政期以降現代までの歴史的建造物・文化施設が集まるエリア。
これらとあわせて巡ることで、石川の歴史・文化とともに、日本の工芸の「過去・現在・未来」を概観することができます。また、香林坊の繁華街や近江町市場、武家屋敷などにもほど近く、歴史と工芸のまち・金沢の魅力を存分に楽しめる新たな旅の拠点としても期待が高まります。
建物について ― クラシックな洋風建築の外観とモダンな展示スペース
明治期に建てられた二つの旧陸軍の施設、旧陸軍第九師団司令部庁舎<1898年建築> と旧陸軍金沢偕行社<1909年建築>(いずれも1997年に国登録有形文化財に登録)を移築するとともに、過去に撤去された部分や外観の色などを復元して活用。
入口向かって左側の旧陸軍第九師団司令部庁舎は、師団司令部の執務室として、また右側の旧陸軍金沢偕行社は、陸軍将校の社交場として使われていました。展示室部分はRC 造で復元して新築し、外観は今回の移築改修に伴い判明した建築当時の色を再現しています。
旧陸軍第九師団司令部庁舎(改修前)
旧陸軍金沢偕行社(改修前)
ロゴタイプ・シンボルマークについて
国立工芸館の開館にあたり、同館のロゴタイプとシンボルマークも発表されています。
制作を担当したのは、UMA/design farm (代表:原田祐馬氏)で、国立工芸館のサインとして活用されるほか、ポスターやチラシ、封筒、ホームページ等で活用されます。
開館記念式典(セレモニー)は2020 年 10 月 24 日に開催され、翌 25 日から始まる展覧会で一般公開が開始となります。2020 年度から 2021 年度にかけては、開館記念展として 3 本の展覧会を予定。
展覧会や作品の収集・保存、教育普及事業などを通して、工芸のまち金沢で、工芸文化の発信拠点として新たなスタートを切ります。
※なお、今後新型コロナウイルス感染症等の状況により会期等変更の場合があります。
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