【山梨】テキスタイルの街 富士吉田市で開催される布をテーマにした国内唯一の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2023」開幕中！

「FUJI TEXTILE WEEK 2023（フジテキスタイルウィーク）」は、1000年以上続く織物の産地でもある山梨県富士吉田市の産業の歴史を根底に、伝統産業および地域活性を目的として2021年よりスタートした、テキスタイルと芸術が融合する国内唯一の布の芸術祭。

11月23日（木・祝）、第3回目となる「FUJI TEXTILE WEEK 2023」が開幕しました。

FUJI TEXTILE WEEK2023　開幕セレモニー（堀内市長、南條実行委員長、キュレーター、アーティスト、織物事業者）

今年のテーマは、「BACK TO THREAD / 糸への回帰」

古くは江戸時代、気候や土壌の性質などの影響で農耕に適さない土地であったことから、織物産業における養蚕・紡績・染色・織りを担う産地となった富士吉田。その後、社会の様々な変化とともに、糸の多くは他の地域からの輸入へと移り変わり、産地のものづくりは糸の仕入れに大きく影響を受けるようになりました。近年では糸の仕入れ価格高騰なども受け、生産者と消費者の意識は素材や環境問題への関心へと広がっていることから、素材としての糸への新たな視点や、ものづくりの原点に焦点を当てたプログラムが実施されています。

「FUJI TEXTILE WEEK」は旧糸屋や工場跡地を舞台に作品を展示する「アート展」と伝統的な織物である甲斐絹（かいき）を様々な視点から読み解く「デザイン展」。またビジネスマッチングプログラムを目的とした「生地展」＜MEET WEAVERS SHOW 2023＞で構成されています。

アート展

国内外から11組のアーティストが参加。産地の織物生産者とアーティストとのコラボレーションによる作品をはじめ、テキスタイルを用いた様々な作品を織物にゆかりのある工場跡地や空き家を中心に展示されています。富士山を背景に作品を巡りながら、織物の歴史や文化に触れられるアート展です。

ネリー・アガシ  《mountain wishes come true》

ジャファ・ラム  《あなたの山を探して》

デザイン展「甲斐(かい)絹(き)をよむ」

デザイン展では産地で100年前に織られていた幻の織物「甲斐絹」を多角的な視点で解き明かし、再発見する展示会が開催されています。現代では「甲斐絹（かいき）」を作る技術も、その意味やメッセージを理解する知識も失われていますが、展示では4つのキーワードで、失われた「甲斐絹」に再び光を当て「甲斐絹」が持つ未解明の美と深みに迫るとともに、新しい解釈と理解が生まれることを目指します。

生地展「MEET WEAVERS SHOW 2023」

世界に類を見ない「甲斐絹」という高い技術力をルーツにもち、現在もクリエイティブな職人たちにより、高品質で魅力的な商品を日々生み出している山梨の織物。展示会場では、山梨県産の織物を紹介されているほか、高級アパレル専門の縫製職人も常駐し、パターンや縫製に関する相談会のほか、予約制で工場の見学ツアーも実施されています。

FUJI TEXTILE WEEK　関連企画

さらに今年は、富士山の世界文化遺産登録10周年を機に、富士山ビュースポットを特別開放する「FUJI SKY ROOF」やフォトコンテスト、アジアを中心に絶大な人気を誇る、台湾クリエイターCherng 氏の人気キャラクター「LAIMO（ライモ）」と西裏エリアとのコラボレーション。

また地元の子どもたちによる「子どもアート展」、地域の人達が参加する「B TANマーケット」や「ハタオリマチのクリスマス」などマーケットの開催も会期中に予定されており、富士吉田の街を巡りながら、織物や富士山を感じる体験や企画が充実しています。

FUJI TEXTILE WEEK 2023の会期は12月17日（日）まで。

ぜひ富士吉田へと足を運び、国内唯一の布の芸術祭を楽しんでみてください。