【国立工芸館】”反復・偶然”による工芸とデザインの多様な表現にフォーカス。「反復と偶然展」が12月17日より開催

「反復」と「偶然」という工芸やデザインを特徴づけるふたつの性質に注目した展覧会「反復と偶然展」が、12月17日(火)から金沢・国立工芸館で開催されます。反復と偶然、それぞれがもたらす印象や効果にフォーカスし、国立工芸館が所蔵する作品約130点から、工芸とデザインの共通点や差異を考えます。

「反復」と「偶然」のキーワードから、工芸とデザインの本質に迫る

同じ動きを繰り返すことで形作られる造形や、図柄を連続させたり幾何学模様を施す手法は、洋の東西を問わずさまざまな工芸やデザインで見られます。たとえば、竹工や織物では、「編む」「織る」といった反復の動作が、直接的に作品の形状や模様に結びついています。また、食器のように用途の異なるものを近い形状に揃えることで統一感を生み出したり、同じ形のパーツで構成された物品が、使用者や鑑賞者に心地よいリズムを感じさせたりすることもあります。

重要無形文化財久留米絣技術保持者会
《久留米絣白中柄単衣 花菱文》1958年 国立工芸館蔵
林尚月斎《花編放射文盛器》
1947年頃 国立工芸館蔵
撮影:エス・アンド・ティ フォト

一方で、自然素材には木目や節の具合など、ひとつとして同じものがありません。さらに、制作工程における火力や温湿度、力の加減や歪みといった、人の手では完全にコントロールできない要素が関与します。この偶然性こそが工芸作品の味わいを生むことも少なくありません。また、均質な製品の量産を目指すデザインにおいても、あえて偶然性を取り入れた風合いを加えることで、量産品らしからぬ存在感が生まれることがあります。

西村陽平《トースター》
1988年 国立工芸館蔵
撮影:アローアートワークス
エンツォ・マーリ《磁器のデザインO》
1973年 国立工芸館蔵
撮影:エス・アンド・ティ フォト

日常的なふたつのキーワードから、工芸とデザインの本質に迫る本展。反復と偶然がおりなす、工芸とデザインの多様な表現の魅力を、ぜひお楽しみください。

イベント名称反復と偶然展
開催日時2024年12月17日(火)~2025年2月24日(月・休)
午前9時30分~午後5時30分※入館は閉館の30分前まで
休館日::月曜日(ただし1月13日、2月24日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月14日
会場国立工芸館
石川県金沢市出羽町3-2
観覧料一般300円(250円) /大学生150円(70円)

*( )内は20名以上の団体料金および割引料金。
*いずれも消費税込。
*高校生以下および18歳未満、65歳以上、MOMATパスポート・学パスをお持ちの方、友の会・賛助会員の方、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバーパートナーは本人のみ)、キャンパスメンバーズ、文化の森おでかけパス(一般のみ)をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。
*割引対象:石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券を窓口で提示した方。
主催国立工芸館
WEBサイトhttps://www.momat.go.jp/craft-museum/exhibitions/r6-02

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