【佐賀】日本が世界に誇る「鍋島焼」が開窯350周年事業を発表、「鍋島焼文化」の継承と未来へ

佐賀県伊万里市大川内山(おおかわちやま)で「鍋島藩窯」によって誕生した、日本の伝統工芸
品 陶磁器「鍋島焼」が誕生して、今年で350周年を迎える。
このたび、鍋島焼協同組合が主催・運営し、藩窯時代の陶工の精神を受け継いできた大川内山の窯元たちと共に、改めて現代の「鍋島焼」を定義し、「鍋島藩窯」にまつわる年間行事の刷新や周年を祝した記念小皿の限定発売など、歴史ある「鍋島焼文化」を守り続けながら革新を続けるさまざまな取り組みが行われることが発表された。
鍋島焼(鍋島藩窯・大川内山)とは
江戸時代に佐賀藩により全国から選りすぐりの31名の陶工が大川内山に集められ、藩直営の「鍋島藩窯」が開窯し、「鍋島焼」は誕生した。廃藩置県により約200年続いた「鍋島藩窯」が廃窯となった後も、大川内山が民窯として再興を果たし、その後約150年もの間つくり続けられている。精巧な技術と鮮やかなデザインから「日本最高峰の磁器」とも称され、その伝統と技術は現在でも大川内山にある29の窯元で継承されている。

そして2025年、鍋島焼は開窯350周年を迎える。この節目に、江戸時代に献上品として製作されてきた「鍋島焼」を新たな視点で捉え直し、その伝統と技術を継承しながら現代にふさわしい「鍋島焼(NABESHIMA)」として再定義。これにより、鍋島藩窯のレガシーを受け継ぐ窯元として、産地ブランドの確立を目指すという。
「鍋島焼(NABESHIMA)」の新たな定義
「鍋島焼(NABESHIMA)」の定義は、『「鍋島藩窯」の意思を受け継ぎ、制作された陶磁器』、『大川内山に所在する鍋島焼協同組合員が制作した陶磁器』。
江戸時代から続く伝統的な絵柄や技法にとどまらず、現代の陶工が新たな挑戦によって生み出すデザインや技法をも含むものとし、この背景には、かつての藩窯時代の陶工たちもまた、卓越した技術力をもとに革新的な意匠を生み出し続けてきたという歴史がある。
そのため、鍋島藩窯の精神を受け継ぎ、現代においても伝統と革新を融合させた作品を生み出す窯元や陶工の手によるものが、新しい「鍋島焼(NABESHIMA)」と定義される。
鍋島焼協同組合のビジョン──「鍋島焼文化」を守り続ける
鍋島焼協同組合は、「鍋島焼」の産地として、350年以上の間に育まれてきた伝統技術や資源を地域の人々と共有し、世界へ伝達しながら、固有の風土や習慣を創っていくことを「鍋島焼文化」と定義する。
明治の廃藩置県以降の約150年間、大川内山では鍋島焼の歴史や技術が継承され、新たな発展を遂げてきた。その歴史と文化を支えてきたのは、窯業関係者をはじめ、大川内山の住民や鍋島焼に携わるすべての人々である。協同組合は、これからの50年後、100年後の未来の陶工へと鍋島焼の伝統をつなぎ、地域の営みをより豊かにすることを目指している。
「鍋島焼文化」を伝える
今回、鍋島焼開窯350周年を記念し、特別な小皿を制作。コンセプトは「鍋島焼の四季彩る伝統と未来」。鍋島焼の歴史と伝統を次世代へと受け継ぐ象徴としてデザインされた。鍋島焼の文化と歴史を未来へとつなぐ架け橋となることを願い、特別に制作されたものだ。また、新たにインスタグラムのアカウントを開設し、「鍋島焼」の今を発信していく。

時代の変化の中で受け継がれてきた技と美を、これからの50年、100年へとつないでいく。陶工たちの覚悟と決意に満ちた革新的な取り組みに、今後も注目していきたい。
WEBSITE https://nabeshima-yaki.com
INSTAGRAM https://www.instagram.com/nabeshimayaki/
「鍋島焼」開窯350周年記念事業
主催・運営 | 伊万里鍋島焼協同組合 |
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アートディレクション | 長尾美術(長尾周平) |
写真撮影 | 西山勲 |
動画撮影・編集 | 坂口幸司、仁田原力 |
トータルディレクション | method Inc.(山田遊、吉岡由実加) |
広報 | 株式会社ハウ |
WEBサイト | http://nabeshima-yaki.com |
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