【京都】アート・工芸・建築・食から集落環境を提案する「あしたの畑」、4つのアートサイトを3月1日から期間限定公開

京都府京丹後市間人（たいざ）地区を拠点にする集落構想プロジェクト「あしたの畑」の4つのアートサイトが、2025年3月1日（土）～3月16日（日）の期間限定で公開されます。通常は非公開の建物内部や、施設内に展示された現代アーティストや工芸作家の作品をガイド付きで鑑賞できます。

「あしたの畑」は、食とアートを通して人が集まるきっかけと学ぶ場を生み出し、土地が持つ自然の財産に気付く機会を提供していく集落構想プロジェクト。京都市内と京丹後市間人地区を拠点に、500年後の人々の誇りとなる遺産を生み出せるよう、アート・工芸・建築・食の分野から集落環境を提案する活動を行っています。

2020年から間人地区で活動を開始し、地域住民や学生たちも参加しながら古民家や織物工場を改修。国内外のアーティストや工芸作家、建築家、料理人も関わりながら、これまでにスタジオやギャラリーなど4つの場がつくられました。その地域の資源を活用することを大切にしており、土壁や襖紙に間人の土を使用するなど、この土地ならではの建築空間を創出しています。

通常は非公開ですが年に数回の公開期間が設けられおり、アート展示とともに、このサイトスペシフィックな空間を体感することができます。（「宮のあしたの畑 / Field of Stars」は常時公開）

間人スタジオ

サステナブルな生活の空間を、土地の工法、素材と現代の思考、技法で、今とこれからの居住空間を作り上げる実験的な家屋。木工職人 中川周士による「木の部屋」など、建築と工芸を結ぶ新たな試みを行っています。

（中川周士「木の部屋」2022年、吉野の檜　写真:森川昇）

間人レジデンス

間人レジデンスは、自然の素材を最大限に活かしながら、現代の建築を感じるアートハウスであり、居住空間の提案です。今後、クリエイターやアーティストが間人で活動する際の棲家になることを目指します。

（間人レジデンス 2024年　写真:Kim Ilda）

SEI TAIZA

築60年の丹後ちりめん工場として使われていた建物を、織物の新たな可能性を探る間人初のアートギャラリーとして再活用しています。
（Ken Gun Min「about me living from your last breath」2024年、SEI TAIZA　写真:Kim Ilda）

宮のあしたの畑 / Field of Stars

リジェネラティブなアート、工芸、建築作品の創造の場となる「Field of Stars」、建築家 西沢立衛による最小建築 「納屋」、陶磁器作家 新里明士と加藤貴也による「あしたの畑窯」を展示します。（「Field of Stars」 2023年　写真:森川昇）

共につくる『集落の集いの家』、制作プロセスを公開

さらに今回、今夏に制作プロセスの公開を目指す半屋外のアートインスタレーション〈TAIZA Tea House〉の構想が初公開されます。リジェネラティブ・アーキテクトとして世界的に名高い建築家 アンナ・へリンガー、陶芸作家 マーティン・ローチ、あしたの畑による共同プロジェクトで、間人の土を使い、地元住民や学生たちとあたらしい“集落の集いの家”を築く計画が予定されています。

この展示コンセプトは、『再生的アートインスタレーションと文化的対話』。間人の豊かな土や伝統的な「版築」技法を用いた制作プロセス、建物の周りに地元の野花や薬草を植える取り組みなど、展示を通じて学ぶ機会が提供されます。このような空間作りや風景を生み出すプロセスを間人の住民や学生とともに行うことで、過去から学び、対話し、共同の成長を促す場所として、新しい集いの場となることを目指していきます。〈TAIZA Tea House〉は2025年の夏公開予定。3月1日～16日には、〈TAIZA Tea House〉のドローイングや模型を展示。

鑑賞はスタッフによる解説付きのツアー制で、2025年春期公開のチケットはあしたの畑 公式サイトにて販売中。